42歳の初体験 第3章 富士山 登山編 前編

公開日:2009/08/23

箱根での足慣らしが終わってからこっち、毎日の天気予報が気になっていた。
世界的な異常気象の影響か、海の日を越えてなお、梅雨明けには至っていない。しかも、九州地方や四国・中国地方での大雨による被害が連日のように報道されていた。当日の天候が非常に気になる所である。

そんな中。富士山をはじめとする山での事故が立て続けに起こった。
富士宮登山口駐車場に停めてあったキャンピングカーを落石が襲い、男性一人が死亡した事故や富士山を下山途中の男女2名が突風に煽られ滑落した事故。こちらも遺体で見つかっている。
さらに北海道大雪山系にて、旅行会社が企画した登山ツアーでガイドが下山判断を誤り、ガイドを含む中高年のツアー客が多数、低体温症などの原因で死亡する事故が発生した。
落石はともかく、これら人災とも呼ぶべき事故は毎年、何かしらが発生していると思われるが、いざ、自分事に置き換えるとかなり不安になってくる。出発を前にして何とも心配な話ばかりだ。
しかし、何でもそうだが多かれ少なかれスポーツにはリスクが伴う。
昔、スノボーを始めた頃。コントロール不能になった奴が猛スピードで林に突っ込んでいった光景を目にした事がある。板を外し、私は救出に向かった。特にケガもなかったので良かったのだが、一歩間違えて木に頭をぶつければタダでは済まない。リスキーなスポーツをしているのだと痛感したのを今でも覚えている。

今回、登山に行くメンバーには確固たるリーダーと言う者が存在しない。天候不良による決行・中止を判断する者がいないのだった。メンバーの中で私が一番の年長者ではあったが、前章でも書いた通り、私は誘われた形で参加しているに過ぎないので心情的にイニシアチブを取れないでいた。毎日、ネットで天気を気にしながら当日だけでも晴れて欲しいと願うことした出来なかった。

前日。天気予報は相変わらず微妙な予報を出していた。

「曇り時々雨 降水確率40%」

メンバーのAさんからメールがやってきた。そこにはここ数日の御殿場の天候のことや中止を示唆する内容も書かれていた。私自身も中止になるなら宿へキャンセルの連絡もしなければならない関係から、メンバー全員がこの予報を踏まえ、行くべきか、止めるべきか、考えを聞きたかった。リーダーが居ないこの状況では多数決しか前に進む術がないように思えたからだ。
早速、その旨を返信し、他のメンバーの意見を待った。
しかし、他のメンバーから連絡はなかった。皆、一体どう考えているんだろうか?

当日。行くつもりがあるのか、ないかの。Aさん以外のメンバーの意志も判らないまま、ここまで来てしまった。
そして、朝方。Aさんから一通のメールがやってきた。

「おはようございます。富士登山、行きます」

最終的には富士宮登山口までの送迎を準備してくれたAさんが最終判断を下した。後は行くか、止めるかは各個人の判断に任せ、ドタキャンもやむ無しと言う内容だった。正直、この天候では仕方ないと思うが私はもう引き下がるつもりは無かった。
雨の準備も夜間登山の準備もしてある。後は雷でも鳴らなければ行く気は満々だ…あっ、一つだけ忘れてた。ザックパックを用意してないぞ!
と言うことでザックパックをスポーツ用品店で買いがてら、集合場所であるAさん宅に向かうのであった。

東名高速を御殿場へ
東名高速に乗線して御殿場を目指す。三島市内は基本的には曇り空で時折、雨が強く降り出す天候だったが御殿場へ向かう空は何だか太陽まで出ていて良い天気である。数10km離れているだけなのにこんなにも天候が違うのか。

御殿場市内
御殿場ICを下り、市内を進む。若干、雨も降ってきたが道路は乾いていて雨が降った感じはない。意外とイケるのかもしれない。朝のメールもこの天候を見てのものだったのかもしれない。

集合場所であるAさんのご自宅の住所はメールで聞いているのでナビにセットしているが現場に近づくと、その場所にどうやって行くのか?迷ってしまった。車の通れる大通りからはかなり奥まった場所にあるようなのだが。
自衛隊演習場へ
車を進めると立て看板があった。自衛隊の演習場内に入りそうになってしまった。危ない、危ない。
集合時間も若干過ぎ、焦り始めている。Aさんにメールを投げた。

「演習場に到着(>_<)」

来た道を引き返し、途中で人に道を訪ねていると、戻ってきた方向からAさんが車で迎えに来てくれた。
お迎え
どうも、ご自宅に行くには演習場内を通らないと行けないと言う特殊な所に住んでおられるようで…。知らなかった。
集合場所にはメンバー全員が揃っていた。いよいよ、本番である。
集合場所
車に荷物を積み、乗り込む。そして車は、富士宮登山口へ向かうのであった。

つづく

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