| バーに関する話題 三島満願芸術祭のカクテルを飲んでミタ |
先日、このコラムでもご紹介した三島満願芸術祭。
今回は市内5店舗のバーで飲めるという、このイベントを記念して作られたカクテルを飲んだ順にご紹介したいと思います。
若干、ネタバレ要素がありますので、自分で実際に店舗に赴いてから知りたいという方はここでブラウザバックしてください。
ポスターにも描かれていますが、今回のイベントのカラーになっているのが、青や緑であり、イベンターからの注文は色だけだったそうです。
その辺も含めて、各バーテンダーがその色を何を使って再現しているのかに注目して飲んでみたいと思います。
先ず、最初に訪れたのは、BAR PORTIER。この店では2種類のカクテルをご用意しています。
先ずはロングカクテルから。
名前は「三島宿」。
ウォッカをベースにフレッシュの由良みかんのジュース、抹茶リキュールを合わせて仕上げた一杯。
やはり、静岡と言えばお茶とみかんが特産品なので、その辺を組み合わせたのが見て取れますね。
みかんジュース由来の酸味と甘み、そして清涼感。
ロングカクテルなので度数も低く、お酒が弱い方でもお楽しみいただけますね。
もう一杯はショートカクテル。
名前を「アートホッパー」と言います。
グラスホッパーというミントリキュールをベースにしたカクテルがありますが、そのバリエーションと考えて良いでしょうか。
抹茶リキュール、カカオリキュール、生クリームで構成されたデザート系カクテル。
度数も高くないので、こちらもおススメです。
このイベント、市内に点在するアート作品を見て回るという趣旨のイベントなのですが、アートホッパーには、イベント参加者が市内を転々と回ってアートに触れている様子をイメージして名付けられていると言います。
お茶とカカオが意外とマッチして、女性にもおススメ出来ますね。
次に伺ったのはバー倉田。
この店ではブルーキュラソーを使用したマティーニのバリエーションカクテルを提供しています。
マティーニと言えば、カクテルの王様。度数はかなり強めです。
ブルーキュラソーの青が「ザ・カクテル」といった趣です。
名前を聞いたら「付けてない」と言っていたのでその場で付けさせまして…
このカクテルを「満願ブルー」と言います。
前述した通り、マティーニのバリエーションですが、そのベースを担うジンには、市内に蒸留所を置く、Distillery Water Dragon製のジンを使用しています。
また、イベントカクテルらしく、金粉を使用して華やかさを演出しています。
昔、売ってた東洋醸造の金粉入りの甲類焼酎を思い出しました(笑)
味わいはマティーニのそれですが、アフターに感じる柑橘系の香りが余韻として残ります。
前述した通り、度数が30度以上あると思いますので、お酒が弱い方にはおススメ出来ませんが、ハードリカーを愛飲されている方は是非、ご賞味を。
次に伺ったのは、DINING BAR NEZASi。
この店ではピスタチオを使用したカクテルをご用意しています。
バーテンダーがこの依頼を受けた時、テーマ色である緑をピスタチオで出そうと先ずは決めたそうです。
ピスタチオを粗目に粉砕した物、ホワイトクリーム系のリキュール、生クリームなどを調合して作られた一杯。
ロックグラスで提供される、ロングカクテルになります。
ナッツ系とミルクなどの乳製品の相性は間違いようがなく、素直に「美味い!」ってなる一杯。
開発中はカルダモンの使用なども考えたそうですが、味が伴わず、引き算をしていった結果、シンプルに仕上げたそうです。
味に対してシンプルさは非常に大事で、複雑さは難解さ、判り難さを助長する場合があるので、所謂「シンプルに美味い」というのは万人にとって正義だと個人的には思います。
リキュールベースのカクテルなので度数も低く、女性にもおススメのデザート系カクテルですね。
このカクテルを「ウエストヤング」というのですが、この名前を付けた理由。
それは「ウエスト(西)、ヤング(若)」。
この店は西若町にあるのですが…やっつけですね(笑)
次に伺ったのはHATERUMA WINE&DINING。
この店では粉茶を使用したカクテルが頂けます。
名前は「新茶の三島ジントニック」。判り易いネーミングですね。
ジントニックといえば、ジン、ライム、トニックウォーターから構成される、シンプルでありながら、実は奥深いカクテル。
その店の味の傾向を知るために先ずはジントニックをオーダーする方も多いと言います。
今回、緑を得るためにバーテンダーが選んだのは、箱根西麓で栽培されているお茶。
粉にしたお茶をジントニックを作る過程で加えることで作られています。
口に含むと所謂、ジントニックの味がするのですが、アフターに若い芝生を思わせるようなボタニカルな香りが余韻として残ります。
お茶は入れ過ぎると苦みになり、少ないと発色しないので、その加減には苦労したようです。
また、ベースとなるジンには前述のバー倉田同様、Distillery Water Dragon製のジンが使用されています。
シンプルながら前後で表情の違う、奥深い一杯になっています。
最後に訪れたのは、BAR Novel。
この店では2種類のカクテルをご用意しています。
先ずはロングカクテルから。
名前を「Glazing Mist(グレージングミスト)」と言います。
ベースに金木犀と洋梨を漬け込んだ漬け込み酒を使用し、そこにブルーキュラソーを調合することで、この緑色を表現しています。
このコラムでも以前、ご紹介した「キングスバレー」というカクテルがあるのですが、その色味に非常に近い緑色をしています。
お味は漬け込み酒からの味が支配的で甘さっぱりした口当たり。
飲みはじめはやや濃い目に感じるのですが、後半はクラッシュアイスが溶け始めるので落ち着きを見せます。
そして、いよいよ最後の一杯です。
名前を「Glazing Martini(グレージングマティーニ)」と言います。
ベースはロングカクテルと同じですが、マティーニなので度数は高め。
ただ、口当たりは一般的なマティーニとは違い、特にアルコールのアタック感がやや穏やかで、余韻もマティーニのそれとは違います。
お酒強いけどギリイケるかも…と思わせてくれます(笑)
そして、この何ともキレイなエメラルドグリーンに目を奪われます。
ライティングの関係もあるのですが、非常にキレイに撮影できました。
芸術祭のイベントなので、絵具を混ぜるかの如く、青と黄色から緑という新たな色を生み出すという、「混色」をテーマとしたようです。
さて、5店舗7杯のカクテルをご紹介しましたが、いかがだったでしょうか。
それぞれが緑や青を何を使って発色させているかが垣間見れました。
そして、地域イベントだけあって、三島らしさ、静岡らしさをカクテルに込めている様も見れました。
このイベントは三島市内の各所にアート作品が展示されているらしいのですが、私が唯一、見れたのは源兵衛川沿いに置かれた犬小屋。
この犬小屋、源兵衛川の流れを頂き、自家発電してキラキラと光っていました。
まぁ、私などは芸術に縁のない人間なので、この作品を「面白い!」と捉えましたが、カクテルと一緒でこの犬小屋にも作者の思いが込められているのでしょう。
芸術家、アーティスト、バーテンダーと等しく「創作者」であることを再認識しました。

