| バーに関する話題 銀座のバーに行ってきました。 |
先日のコラムなどでも出てきましたが先月の成人の日の3連休を利用して銀座のバーへ行ってきました。
私自身、銀座のバーが初めてと言う訳ではありませんが、今回は少し勝手が違います。
これまでに訪れた銀座のバーというのは、地元のバーテンダーのご紹介という形での来店が多かった訳で、この店に来た経緯をお話する事で「素性の判った客」として捉えられお互い、気が楽という状況が生まれました。
しかし、今回はどうしても個人的に一度は行ってみたいと考えていたバーに誰の紹介も無しに突撃する訳です。
私がどうしても行きたかったバー。それは「銀座 テンダー」というバー好きなら一度はその屋号を聞いた事がある超有名店です。
このコラムでも過去にご紹介した書籍、「カクテルテクニック」の著者でもある上田和男氏のお店です。
過去、銀座に来ては何度か足を運ぼうかと悩んだ時期もありましたが、
二の足を踏んだのも1度や2度ではありませんでしたが今回は意を決した感じです。
新宿歌舞伎町、18時10分。
夜のラーメン取材を終えた私はその足で新宿駅に向けて歩き出した。
Google Mapのナビによれば、銀座は丸の内線のみの乗り換えなしで行けるらしい。乗車時間は約30分。
18時30分過ぎ。
店の最寄り駅である銀座駅に到着。ここからは徒歩で向かうのだが、銀座という街に来ると何故か上ばかり見てしまい完全なお上りさんだ。
Google Mapを頼りに店の入ったビルを見つけ出す。店はこの建物の5階にあるらしい。
エレベーターを降りると食べログで見慣れた入口が見えた。流石に緊張している。このドアを開けずに帰る事も出来るが、ここまで来てしまったからにはもう後戻りはすまい。
早速、入店です。
こちらの思いに反して店内を見る限り、上田氏の姿は見えない様子。
ヘルプのバーテンダーが出迎えてくれて着席します。
先ずは初来店の恒例の一杯。ジンフィズをオーダーします。
ヘルプのバーテンダー(といってもサブ・バーテンダーだろう)がシェイクする姿はちょっと変わった振り方。
もしかしてこれがハードシェイクなのだろうか。
肘を支点にした立て振りに加えて、両肘がシーソーのように上下動する動き。中の氷の動きとしては上下左右に動いている感じでしょうか。
出てきたカクテルはやや酸味がシッカリしたもの。
時間は19時過ぎ。バーテンダーに上田さんの事を聞くと、「その内、出勤されます」とのこと。
まぁ、オーナーバーテンダーって少し遅く来る方もいらっしゃるのは理解できます。
サブ・バーテンダーは気さくな方で、結構お話相手になってくれました。
20時前の店内は先客が2名。後客として若者が私の近くに座りました。
「ドライ・マティーニをお願いします」
お若いのにお酒が強いのね。
「パイプは大丈夫でしょうか」と若者。
喫煙もお強いのね。
そんなやり取りから会話は東京のタバコ事情の話に。
オリンピックを控えた今年は特に外国人のお客様も多くなる時期。
東京の飲食店は基本的に禁煙なのだそうだ。(例えばコチラのような感じ)
しかし、逃げ道があるらしく、葉巻を扱う申請をすると喫煙が可能になるらしく、バーは意外と申請を出しているようです。
バーで禁煙とか個人的には考えられません。
この若者。この店に来る前に銀座の超老舗店、「ルパン」へ行ってきたとのこと。
ただ、ルパンは禁煙らしく、一杯飲んで退散したらしい。
実は私、この後、そのルパンに行こうかと考えていたので良い話を聞けました。
その後、上田氏が登場。写真で何度かお見受けしていますが、初めてお会い出来ました。
それと共に私の中で緊張が高まります。
2杯目はクラヌリッシュをストレートで。
そして3杯目に今回のお目当てであるキングスバレイをオーダー。
上田氏のシェイキング、所謂ハードシェイクを初めて見ましたが、先ほどのサブ・バーテンダーと動きは同じで、師匠のシェイキングを継承されているようですね。
出来上がったキングスバレイは表面に多くのフレークが確認でき、シェイカーの中で激しく氷が動いている事を物語っています。
しかし、先ほどジン・フィズを作って頂いた時にサブ・バーテンダーから聞いた話ですが、「ハードシェイクはフレークを出す事が目的ではなく、シッカリとした攪拌と冷却にその意味がある」と仰ってました。
まぁ、シェイクの本来の目的ってそれ以外にないのですが、それを追求した結果があの独特の振り方なんだろうなぁと思いました。
ちなみにキングスバレイに使用されるスコッチ・ウイスキーは「ホワイト&マッカイ」というお酒。
キー・モルトはダルモア。市場価格的にはデュワーズ ホワイトラベルと変わらない感じですが、私は初めて聞いた銘柄でした。
そろそろ帰ろうと考えていた矢先。私の隣に常連客と思しき男性が来店されました。
年の頃は私より少し若いであろう40代。オーダーはギムレットでした。
準備をする上田氏を見ていたのですが、用意したカクテル・グラスはクリーム系のカクテルが入りそうな丸みを帯びたゆったりとしたもの。
ギムレットを提供する時って大体、シュッとした鋭利な逆二等辺三角形のグラスを使用する事が多いのですが、どういうことなんでしょう。
そして、差し出されるグラス。その中にはちょこんと小さな氷が浮かんでいます。
「これってカクテルテクニックの表紙のカクテルですよね」
私はサブ・バーテンダーに聞いてみました。
正にビンゴでこの店のギムレットはこのスタイルで提供されるとのこと。
たまに本を持ってきて上田氏にサインをお願いする方もいるとか。私は小心者なので出来ませんが…
結局、3杯飲んでお値段は8000円ちょとと言った所。諭吉を連れていけば帰ってこれるでしょう。
今回の銀座のバーで思ったことは、銀座だから緊張する必要もないし、おしゃべりしてはいけない等ということはない事。
ただ、今回は他のお客様が若い方が多かったという、客層にかなり恵まれた感はありましたが、平日の銀座はもっと客層が違うんじゃないかなと思います。
政治家、財界人、芸能人など、それなりに名のある方々が来店された店内はバーテンダーも含め、もう少し雰囲気が違うのでしょう。
そういう意味ではバーの雰囲気を作り出すのはお客なんだろうなぁなどと考えながら店を後にしました。

