バーの時間の過し方 バーテンダーの作業の優先順位

先日のこと。

その日は週末なのに雨が降っていてお客は私しかいない。まぁ、バータイムには早い時間というのもあるのだが。

バータイムである21時くらいも境に男性2名のお客が入店した。話を聞くにつけ、60歳手前のようだ。

二人ともウイスキーのオン・ザ・ロックを注文し、何やら色々と話をしている。

バーテンダーもその客とは関わらず、私と談笑しながら時が過ぎていく。

そんな中、ドアの外で物音がしたので私は会話を中断する。バーテンダーが一時((いっとき))、忙しくなるからだ。

「4名ですが大丈夫ですか?」

「いらっしゃいませ。テーブル席へどうぞ」

おしぼりやコースターを用意するバーテンダーに先の先客が言った。

「お会計をお願いします」

「暫くお待ちいただけますか?」

入口で傘を畳んでいるお客を見て、バーテンダーは着席するように促し、傘を畳み始めた。

傘立てがそれほど大きくないので畳まないと入らないからだ。

そんな作業中のバーテンダーのところにまた先のお客が名刺を持ってやってきて…

「領収書をこれでいただけますか?」

「少しお待ちください」

いい歳してバーテンダーが作業中と判っているのに自分のことをガンガン言ってくるこの客に私もちょっとイラっとした。

客である私が注意しても多分、角が立つので黙っていたが、普通に無理なのが判ると思うのだが。


そんなエピソードがあったので今回はバーテンダーの作業の優先順位について書いてみたいと思う。

まぁ、あくまで私の私見なのでバーテンダーによっては優劣が異なるかもしれないが、全く違うということもないだろう。

バーテンダーの作業を見ていると、色々な作業をしているのが判ります。

挙げるとキリがないのですが、ザックリとバーテンダーの作業は以下になると思います。

1.入店作業(コースターやおしぼりを出す)
2.オーダーを取る
3.お酒を作る
4.チャームの準備
5.お酒やチャームを出す
6.伝票を付ける
7.お会計をする
8.外までお見送り(バーによる)
9.使ったグラス等の洗い物をする

まぁ、こんな感じでしょうか。

他にもバックヤードのあるバーではバックヤード内での作業もあります。

また、今回は「会話をする」は敢えて除いています。

バーテンダーが一人でお店を切り盛りする店では、これらの作業を並行して行う必要があります。

まぁ、混んでいない状況なら何とかなるのですが、満席状態だと色々と滞ってくるのが見ていて判ります。


混んでいる場合、後回しになるのは「使ったグラス等の洗い物をする」「外までお見送り」でしょうか。

そう考えるとバーテンダーの中での優先順位が低い事が判ります。


「お酒を作る」「チャームの準備」ではお酒を作る方が優先順位が高いです。

チャームは後まわしにしても如何に早くお酒を提供するかを考えているのが判ります。

なので、バーテンダーがお酒を作り始めたら、声をかけるタイミングではありません。


お店自体があまり混んでいない状況であれば「入店作業」が最優先順位となりますか。

入店してきたお客を先ずは座らせる。立ったままにさせないでご案内するということです。

今回のケースはこのパターンに当てはまります。


さて、ここまで書いてきて未だに出てこない作業があります。それが「伝票をつける」「お会計をする」です。

お金の事なのでこの作業がお店的には一番重要ではありますが、一番優先順位が低いと思います。

私もチェックをする際はバーテンダーが今、他の客から何を頼まれているのか?を考え、タイミングが悪いと思った時は敢えて声をかけなかったり、「落ち着いたらチェックして」とだけ伝えて残ったチェイサーを飲みながら待っている時があります。

他の客の用事をこなしている時(特にオーダーが頭に入っている時)にコチラの用事を無理に伝えるのはミスをするリスクを高めることにしかなりません。(オーダーミスや計算ミスなど)


とここまで書いて私達客がどう振舞えば良いのかをまとめてみましょうか。

あくまでもバーテンダーが一人でお店を回している店に限りますが、スゴく簡単に言ってしまえば、他の客が依頼した作業をバーテンダーが行っている時に声をかけるのは控えましょう。

仮にコチラのいうことが通ったとしても、バーテンダーの優先順位によっては後回しになります。

もっと簡単に言えば、入店する事とお酒を出すことは最優先事項であり、退店する行為全体は優先順位が低いです。

また、同じお酒をオーダーする行為であっても、1杯目の客と2杯目以降の客のオーダーでは1杯目のオーダーが優先されるということです。

この辺りをお客である皆が理解していると、バー全体の流れがスムーズになっていきます。

「なんか、色々と我慢しなきゃいけないのか?」と思うかもしれませんが、裏を返せば私達自身が待たされないようにするための暗黙のルールなのです。

公開日:2022/03/20

ページトップに戻る