| バーの時間の過し方 下手糞なおごり方 |
今回のテーマは「下手糞なおごり方」です。
皆さんはバーで他人におごる事ってありますか?
私は基本的にはバーではおごりません。勿論、例外はありますが。
年下の知り合いや会社の後輩などには結構おごります。
昔、会社の上司から言われたことがあります。
「お前はお前の部下におごってやりなさい。こういうのは順繰りだから」と。
これは会社の多くの諸先輩方からこれまでおごって頂いたことへの恩返しでもあります。
昨今の新コロの関係で「上司が部下を連れてバーに立ち寄る」という風景も在宅勤務が増えたことでなくなってしまう風景かもしれませんね。
それ以外の人、例えば席が一緒になったお客(男性も女性も含めて)やバーテンダーにも普段はあまり飲ませません。
特にバーテンダーにはもっと別の形で恩返しができると思いますし、そもそも足繁く店に通うのが何よりの恩返しではないかと考えているからです。
前置きが長くなりましたが今回の「下手糞なおごり方」。
先日のバーでの出来事をお話しましょう。
とあるバーでのこと。
新コロの影響で金曜の夜でさえ人の出が疎らになっている昨今ですが、行きつけのバーは意外と混んでいました。
『入れないかな?』と一瞬、思いましたが真ん中に1席だけ空いた席に通されました。
店内のお客を見回すと、複数客が多く来店されているようで、私の右隣の男性客だけがピン客(一人客)であるのが判ります。
年の頃は30代後半~40代前半といった感じで、フード付きのパーカーを着た身なりは私より一回り下なのだと感じました。
この状況だと回りのお客と話をする機会はほぼ皆無なので、ここまでバーテンダーが相手をしてたんだろうなぁと推測できます。
ただ、私は気軽に他の客と話すスタイルではないので、一人で酒を飲んでいました。
一頻り経って、作業を終えたバーテンダーが隣の客と話をはじめ、その会話の中に私も取り込まれていきました。
まぁ、全く無視している訳ではないので話をしていると、どうも東京からのお客のようです。
駅前のホテルに宿を取ったと言っていましたが、この状況下で東京から来たという客はどう
バーテンダーも「うちも別に東京から来たってことで入店を断ることもありませんし、別のお店でもそこまでする店はないと思いますよ」と。
個人的には内心、感染リスクの高い地域からのお客ということで、邪見にはしませんが注意しながらといった感じで接した。
お客が引きはじめ、店内が彼と私だけになった頃。彼が飲んでいた響のオン・ザ・ロックが氷だけになっていた。
バーテンダーが次のオーダーを勧めると彼が奇妙なことを言い出した。
「同じものを3杯ください」
オーダーを受けたバーテンダーが一瞬、「?」という顔をした後、「トリプルでよろしいですか?」と聞き直す。
「いや、3杯でお願いします」と続ける彼。
バーテンダーも私も内心、この奇行の意味を呑み込めずにいたが、バーテンダーが3つのグラスを彼の前に差し出した時、彼が言い出した。
「今日は色々とありがとうございました」
そう言って私とバーテンダーの前にグラスを差し出したのだ。
バーテンダーは営業中に飲まないスタイルなのでお断りをしてしまい、私はというともう酒瓶に戻せない状況なので頂くことにした。
まぁ、私はその時、ウイスキーのストレートを飲んでいたので、中断しても問題はないのだが。
結局、バーテンダーに差し出された一杯はそんなやり取りの中、来店された常連客の元へいったのだが、その客も結局、口をつけることはなかった。
彼の退店後。バーテンダーが言っていたのは、「コロナの関係で店が暇だって話をしていたので、売上に貢献しようと考えたのでしょうね」という内容。
確かに一人で飲むのも限界はあるとは思う。
ただ、このおごり方って個人的には「下手糞」としか言いようがなかった。
前述したように私が「他人におごる」のであれば、好きな酒を好きな飲み方で飲ませ、その支払いを自分が被るというのが本来である。
もし、私が逆の立場で他人に酒をおごるのであれば、その方が次のオーダーを入れた後に「今夜はお世話になりましたので次の一杯は私におごらせてください」と言うだろう。
この方法だと受け入れて頂けるか否かは判らないかもしれないがコチラの恩義は充分伝わるからである。
お酒は嗜好品なので人それぞれ、飲みたい酒、飲みたくない酒というのがハッキリしている。
そこを履違えると「単なる押し付け」になってしまうのである。

