| ウィスキーに関する話題 三島に出来た蒸留所を見てきました! |
このコラムで「三島にウイスキー蒸溜所が出来るらしい」と読者の皆さまにお伝え出来たのが2022年4月初旬のことでした。(当時のコラムはコチラから)
当時の記事を改めて読み返してみると、主にこんなことが書かれていました。
1.三嶋大社の近くにある「懐古堂ムラカミ屋」にウイスキーの蒸留所を立ち上げる
2.蒸溜所は1年後に稼働を開始する予定で、2024年中の商品化を目指す
3.市内各地に樽の保管場所を構えることで「ウイスキーが眠る街」として発信する
4.バーチャル住民票を発行してさまざまなサービスを提供する「電子市民制度」の導入を市に提案し、行政をも巻き込んでいく
この1年間、この蒸留所についてご紹介してきた内容としては、Key3というクラウドファンディングのようなものの立ち上げ、及び、購入者へのリターンとして今後出来上がったウイスキーの優先購入権や優先割引購入権が得られる、といった内容もご紹介しました。(詳しくはコチラから)
後、コラムではご紹介していませんが、この蒸留所を立ち上げた「Whiskey&Co.」からリリースされた「On Spring」というクラフト・ジンなどを販売したりと、三島での活動が見受けられました。
そして先日、このコラムでもご紹介した通り、いよいよ三島蒸溜所が開所するというニュースをご紹介したのは記憶に新しいと思います。(詳しくはコチラから)
今回のコラムは三島に出来たウイスキー蒸溜所の施設についてご紹介したいと思います。
2023年5月14日。
天気は生憎の曇り空。今にも雨が降りだしそうだ。
これが晴天だったら歩いて見に行こうかとも考えたが、二日町駅前のコインパーキングに入庫して、現地に赴いた。
事前情報では現地でドリンクやフードの販売もあるというが、個人的には蒸留器をはじめとする、施設内の設備を見学に来た次第だ。
予定時間の10時過ぎには既に多くの方が集まっており、この蒸留所の感心の高さが伺える。
今では多くの蒸留所が各地に出来ているが、地元に蒸留所が出来て、それを間近に見て、感じることが出来る機会ってそうそう多くない。
この日は東京で4年ぶりの「Tokyo International Bar SHOW」も開催されていたが、個人の趣味でやっているバー紀行的には地元でコラムネタが仕入れられるのはコスパが高い。
入口で受付を済ますと、いよいよ施設内に潜入。
当たり前だが元々は洋品店なのでそこまで広い訳じゃないけど、所狭しと設備が配置されている。
スタッフの方に色々と質問することが出来たので、順を追って紹介したいと思います。
先ずは入って右手にあるのが「圧力釜」。
ウイスキー製造の順序に倣えば、「糖化」のための準備段階であろうか。
この蒸留所で作るのはバーボン・ウイスキーなので、原料の大半はトウモロコシになる訳ですが、私達が普段、目にする生のスイート・コーンではなく、乾燥した状態の物が使用されます。
なので、この圧力釜でトウモロコシに圧力をかけながら加熱し、所謂「もろみ」のような状態の物を作るのでしょう。
入口左手には、加熱された原料に酵母を加えて発酵させるための発酵槽があります。
発酵槽は3器ありましたが、容量を聞くのを失念してしまいました。
この3器のタンク内で発酵をさせることで、酵母の力でアルコールと二酸化炭素に分解されるわけですね。
発酵槽の前には「ウイスキーバーボン製造設備」と書かれた装置がおいてありましたが、上に状態を知らせるためのランプなども付いているのが興味深いです。
何かのセンサーで検知した値によって、それぞれ「青・黄・赤」と状態変化を映し出すと思われます。
誰か、知っている人はこっそり教えて下さい(笑)
そして、お待ちかねの蒸留工程です。
これまで私が実際に見てきた蒸留器と言えば、余市蒸留所や白州蒸留所の単式蒸留器。
そして、このコラムでご紹介した、お隣の沼津市にある「沼津蒸溜所」の単式蒸留器。(詳しくはコチラから)
大手メーカーの蒸留器から小規模施設の蒸留器も見る機会がありました。
で、今回の施設と言えば、小規模施設の蒸留器になる訳ですが、ちょっと度肝を抜かれました。
何と、この狭い敷地の中に単式蒸留器と連続式蒸留器の両方が置いてあるんです。
個人的には連続式蒸留器を見るのがはじめてなので興味津々です。
ちなみに連続式蒸留器の仕組みについてはWikipediaをご参照ください。(詳しくはコチラから)
先ずは単式蒸留器から見ていきましょう。
単式蒸留器はこのサイトの読者ならお馴染みの別名、ポットスチルというものです。
材質については聞くのを失念してしまったのですが、銅っぽい色をしていますがどうなんでしょう。
熱源はボイラー方式ということで前述の沼津蒸溜所と同じですね。
また、釜の中は撮影できませんでしたが、熱を伝える仕組みもさほど変わらないと思います。
単式蒸留器の特徴はもろみの香りを残しながら蒸留が出来る点。
主にモルト・ウイスキーの蒸留に使用されます。
続いては連続式蒸留器。
内部に蒸留器を多数持っており、この蒸留器は最大12段の構造を持っています。
そして、面白いのはこの段数をレバー操作で変化させることが出来る点です。
段数を変える事で、出来上がるお酒の風味も変わるのでしょうね。
連続式蒸留器の特徴は効率的に度数をあげることが出来る点。
一度、蒸留された物を更に蒸留塔に送るため、度数は上げ放題です。
ウォッカなどの風味を持たないスピリッツは連続蒸留で作られます。
蒸留器の横には蒸留されたお酒を一時的に貯蔵するためのタンクがあります。
このタンクの容量も聞くのを失念してしまいました…
大きなステンレス製のタンクが2器。
どういう使い分けなのかは判りませんが、想像するに単式蒸留器と連続式蒸留器にそれぞれ繋がっているのでしょうね。
2階部分も見学することが出来ました。
2階部分は蒸留器の高い部分に付いている計測値をみることで出来そうです。
天井には龍が描かれており一部、蒸留器の配管に触れている部分がありますが、シッカリと対策されているとのこと。
この2階部分の本来の使われ方については聞く事が出来ませんでしたが、今後はどんな感じで使われるのでしょうね。
また、当日は同社のクラフト・ジンの販売などもされていました。
この建物の脇にある小さな路地を奥に向かって歩いていくと、バーブースの建物がありました。
中ではクラフト・ジンを使用したドリンクの販売もしていましたが、今後は三嶋大社を訪れた観光客を相手に営業をするのかは聞けませんでした。
でも、立地的には色々と仕掛けが出来る場所ですね。
という訳で今回は三島市内に出来たウイスキー蒸留所をご紹介した訳ですが如何だったでしょうか。
個人的には4か所目の蒸留所見学ということで、色々と勉強になりました。
また、今後はこの場所で作られた製品が飲める日もそう遠くはないでしょう。
今から楽しみですね。

