ウィスキーに関する話題 静岡蒸溜所 静岡プロローグK

今回は2020年12月19日にガイアフロー静岡蒸溜所よりリリースされたウイスキー、「静岡プロローグK」をご紹介したいと思います。

プロローグKについては以前、このコラムでも発売に関する情報を発信させて頂きましたが、今回は実際に頂く事が出来ましたので、ウイスキー・レビュー的な内容になります。

ただ、内容的にこのウイスキーについてご紹介する際に以前のコラムと情報的に被る事柄もありますので予めご承知おきください。

ガイアフロー静岡蒸溜所が開所したのが2016年10月ということで、当時のバーではこの話題で持ち切りだったのを思い出します。

今回、リリースされたボトルは3年熟成されたもの。先ずはその内容からご紹介しましょう。

原料に使用される大麦については国内産大麦麦芽を50%。また、英国産のピーテッド麦芽、ドイツ産とカナダ産のピルスナー麦芽を使用していると言います。

発酵には木製の発酵槽を使用しているようで、白州蒸溜所のそれと似ていますね。

その発酵槽の木材には一般的な米松の他、蒸留所の周囲の山から切り出された静岡産の杉が使用されているようです。

そして、蒸溜工程には以前、このコラムでもご紹介した軽井沢蒸溜所より移設したポットスチルを使用。

蒸溜器は釜の上部にあるヘッドやアームラインと呼ばれる、鳥のくちばし状の管の形状によって、出来上がりが左右されると言われています。

「蒸溜機K」と名付けられたそれは長くて細いネックとアームラインを持っているのが特徴。

初溜、再溜と2回の蒸溜が行われることでニューポットが完成します。

熟成に使用される樽はファーストフィルのバーボン樽。(1度だけバーボンの熟成に使用された樽)

エンジェルス・シェア(天使の分け前)は年間で5%程度持ってかれるということで、温暖な静岡の土地ならではの早い熟成が期待できますね。


前置きが長くなりましたが早速、頂いてみましょう。

今回はストレートとロックで頂いてみました。先ずはストレート。

ノージングしてみると、3年熟成ではありますがアルコール感も抑えられ、嫌な感じはありません。

そして、麦芽由来でしょうか甘い香りが鼻孔を抜けていきます。

口に含んで先ず驚くのが、香りからくるイメージを裏切らない甘み。樽から頂いたバニラ系の味わいというよりは、モルト本来が持っている穀物系の甘さです。

軽くピーティーな印象もありますが、風味付けというか、味わい全体に骨太な印象を与えるための最低限の使用に抑えられた印象で、カクテルでいうとアンゴスチュラ・ビターズを1ダッシュしたような感じでアクセント的な使い方をしています。

これが原料の3割を占めるピーテッド麦芽の仕業なのでしょう。

少し加水を行うと更に甘さが増した印象にはなりますが、若干ピート感が強まった印象に変化します。

バーテンダーに小さな氷を入れて頂いて、ロックでも飲んでみました。

冷却されたことにより、香り的には甘さがスポイルされた印象に変化します。また、ピート香も納まっています。

口に含むとピート感は感じることはなく、甘さが前面に押し出されてきます。

ストレートで飲むことが多い私は、「ストレート>ロック」という図式が頭から離れない「ストレート信者」ですが、このウイスキーはロックの方が美味しく感じます。

しかし、ピート以外にも甘さをスポイルする要因に「度数」があります。

度数が高いウイスキーはピートが穏やかであったとしても、時として甘さの伝わりを阻害する場合があります。

このウイスキーは55.5%の度数がありますが、ロックにしたことによって加水が進み、甘みを感じ易い度数に落ちたことも要因にあると思います。

そう考えると、ハーフロックなども意外とイケるんじゃないかと想像できます。

ハイボール水割りは試していませんので、3倍以上に加水された状態はどうなるのかは判りませんが気になる所ですね。

開所当時から期待の高かったガイアフロー静岡蒸溜所ですが、流石というか、3年熟成ながら期待以上の出来のウイスキーとなりました。

この先、この原酒を更に熟成させたウイスキーが出てくる訳ですから、期待せずにはいられません。

その時、バー紀行が続いているかは定かではありませんが、今回のようなコラム記事が書けることを期待しながら待つこととしましょう。

公開日:2021/01/09

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