| バー紀行誕生秘話 最大の難関、そして・・・ |
バーを題材にした時の最大の難関。それは掲載に関することだ。
ラーメン紀行をご存知の方は知っていると思うが、ラーメン紀行に掲載されている店は基本的には掲載許可を取っていない。僅か30分程度の滞在時間。しかも、仕事中の店の人に掲載に関する許可を取るために仕事の手を止めてもらうことに抵抗があった。なので基本的には無許可であり、お叱りのメールを頂いたのも一度や二度ではない。
しかし、バーでは先ず滞在時間が長い。最低でも1時間。長い時は2時間以上も滞在する。その中でバーテンダーと話をする場面も多い。話をすること自体もバーテンダーの仕事の一部だと考えている私にはその部分に抵抗感がなかった。
ただ、そうやって話をする内に顔見知りになる訳で無許可で掲載することに今度は抵抗感が出てきてしまう。また、逆パターンでそのバーに通う内に「このバーは居心地が悪いなぁ」などと考えるようになるバーもあるかもしれない。
基本的にはバー初心者が一人飲みするのに適したバーを紹介する事を想定しているので、例えばバーテンダーがとっても寡黙な人で会話も弾まず、一人ぼっちになりやすい雰囲気のバーは私自身も掲載許可を取る事自体が苦痛になるであろう。
と言う訳で掲載基準の最大の条件は私が通って居心地が良く、今回のバー紀行の掲載の話を切り出しやすい雰囲気を持った店のみを掲載することにした。
更に問題なのは掲載頻度。
一杯1000円程度のラーメンを30分と言う短い時間で取材するならこれまでの週2軒と言うペースも可能なのだが、前述した通り、滞在時間が長く、しかも一回入店すると最低でも2000円の取材費が必要で、更に数回通わないといけないとなれば、一軒のバーを掲載するまでに長い時間と多額の取材費が発生するのは目に見えている。そんな状況では週一軒の店を紹介するのも難しい。
そこで、掲載頻度はざっくりと「月に一軒程度」とした。また、バーはラーメン屋と違って軒数がそれほど多い訳ではないので、約1年をかけて地元のバーを制覇するくらいのペースを考えることにした。
前述のような事をうっすらと決めてからこっち、バー紀行のオープン時に何軒の店を掲載してスタートするのかを考えた。
『まぁ、ザックリと10軒か』
言い出しっぺのバーを皮切りに行きつけのショットバー。勤務地での行きつけのバー。知り合いのやっているバー等をピックアップする。更に前述のマスターのお弟子さんがやっていると言うバーを片っ端から聞いては訪問。言いだしっぺのマスターの名前を出すと掴みはすんなりと行く事に気が付き、毎週のように数軒のバーを廻った。
一晩に3軒のバーをハシゴしたことも一度や二度ではなかった。この頃は流石にキツくて3軒目はもうかなり酔っていた。
そんな飲み方をしているとバーテンダー以外にもそのバーの常連さんとも顔なじみになっていき、人脈が広がっていった。バーは酒場であるのはもちろんだが、社交場である事にもこの頃から気づき始めていた。まぁ、行きつけのバーが元々あった訳でそのバーでの顔なじみの客も多くいる訳であるが、複数のバーに出入りするとその裾野は格段に広がるのである。ある意味、副産物である。
そして今回、三島市から10軒。静岡市から1軒。神奈川県横浜市から1軒の計12軒のバーを掲載したバー紀行がオープンすることになった。
バーに行き慣れない方にバーの素晴らしさを知って頂く場として、また、バーと言うちょっと敷居の高いイメージが単なるイメージでしかないと言う事を取材記から感じてもらい、これをきっかけにして「ちょっとバーに行ってみようかな」と思ってもらえれば幸です。
また、最後に付け加えておきますが、このバー紀行をやって私が受ける恩恵は全くありません。単なるボランティアであり、このサイトを立ち上げるまでに使ったお金は私の身銭です。このスタンスはラーメン紀行と何ら変わりません。これまで出会った多くのバーテンダーをはじめとする皆さんの一助になればと言う勝手なお節介から始まったサイトである事を付け加えておきましょう。
さぁ、今宵はどこのバーに行きましょうか。
(おしまい)

