カクテルに関する話題 トム・アンド・ジェリー



新年あけましておめでとうございます。マスターです。

本年もバー紀行をよろしくお願いいたします。

さて、毎年恒例になりつつある、干支にちなんだ年賀状シリーズ。

毎年、ネタを絞り出すのが大変なのですが、今回は特に悩みました。

今年は子年(ネズミ)ですよね。バーやウイスキー業界はネズミは天敵です。

このコラムの中で蒸留所がネズミ駆除のために猫を飼っていた事を書きましたが、本当にネズミに関するバー関連の事って少ないです。

そんな話を沼津のとあるショット・バーでしていた時のこと。

「じゃあ、トム・アンド・ジェリーが良いんじゃないの?」

私も薄々は感ずいていた「トム・アンド・ジェリー」というキーワード。

皆さん、ご存知の通り、「トムとジェリー」と言えば、猫のトムとネズミのジェリーがドタバタを繰り広げるアメリカのアニメ。

その名前にちなんだ提案だと思います。

しかし、私はこのカクテルのレシピを知っており、かつ、非常に面倒くさいカクテルであることを知っていました。

巷では「バーテンダー殺し」と呼ばれるその作成工程は、これをお客がそれなりに居る店内でオーダーされたら、他の作業が完全にストップしてしまうことでしょう。

今回は行きつけのバーに事情を説明し、日曜日の営業開始直後の完全に店が暇であろうタイミングを狙う等、こちらが取れる最大限の配慮のもと、作って頂きました。

先ずはそのレシピをば。

ラム(ダーク) 30ml
ブランデー 15ml
砂糖 2tsp.
卵 1個
熱湯 適量

卵の卵白と卵黄を別々の容器(小型のボウルかオールドファッションド・グラスでもよい)で泡立てる。

泡立てた卵黄に砂糖を加えて更にツヤが出るまで泡立て、卵白も加える。

これにラムとブランデーを注いでステアし、温めたタンブラーに移す。

熱湯を満たし、軽くステアする。

好みですりおろしたナツメグを振りかける。

(NBA新オフィシャル・カクテルブックより)

Wikipedeiaによれば、このカクテルは19世紀末に「ジェリー・トーマス」というバーテンダーによって作られたと言います。

作られた当時はクリスマス用の飲み物であったそうですが、現在ではクリスマスに関係なく愛飲されているとのこと。

今回は「トムとジェリー」のフィギアを用意して飾りましたがいかがですか?(これがナカナカ見つからなかった…)

ちなみに「トム・アンド・ジェリー」「トムとジェリー」には全く関係性がないらしいです(笑)

で、味の方ですが、ブランデーの香りが先行する中で加えた砂糖の甘さをメレンゲが包んでいる感じで口当たりは非常に優しい。

「洋風な卵酒」を連想する方もいらっしゃると思いますが、攪拌してある関係で卵黄は成りを潜めています。

前述した口当たりに加え、空気を抱いたことによる保温力など、メレンゲ(卵白)の効果、絶対的な存在感が印象的です。

それが証拠にメレンゲは終始、崩れることなくグラスの中に残り続けました。

これを作ったバーテンダーも「初めて作りました」とのこと。

バーには卵黄を準備していない店が多く、私も卵黄を使用したカクテルをオーダーする時は、事前にご連絡してからお願いしますが、今回は更にハードルが高い一杯でした。

紹介しておいて何ですが、気軽にバーに寄ってオーダー出来るカクテルではないので、どうしても飲んでみたいという方は事前にバーテンダーに相談することをお勧めします。



公開日:2020/01/01

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