| カクテルに関する話題 【検証】技法を変えて作ってミタ! |
以前、このコラムで「カクテルの作り方」というのを掲載したことがあります。(詳しくはコチラから)
カクテルの作り方にはシェイク、ステア、ビルド、ブレンドの4つの作り方があり、作るカクテルによってその技法が異なります。
その技法を使うのには、シッカリとした理由があります。
特にシェイクとステアは素材を混ぜ合わせ、冷却するという意味ではかなり似ているのですが、技法が変わるシッカリとした理由があります。
前述した「カクテルの作り方」でも書いていますが比重の差が大きい物同士を混ぜ合わせるためにはシェイク、比重の差が小さいものはステアが使用され、比重の差がほぼ無い物はビルドで作られます。
この場合の「比重」とは、その中に含まれる糖分の量を指しており、糖分を多く含む、少し粘性のある素材を使う場合はシェイクが使用されます。
そこで私は考えました。
「シェイクで作るカクテルをステアで、ステアで作られるカクテルをシェイクで作ったら、その印象はどこまで変化するものだろうか?」と。
と言う訳で今回はシェイクとステアで作られるカクテルを、異なる技法で作ったらどうなるのか?を検証してみたいと思います。
先ずはステア。
ステアで作られる代表的なカクテルはマティーニでしょう。
カクテルの王様と呼ばれるマティーニには、様々なレシピが存在し、実はシェイクで仕上げるレシピもあります。
有名なのは映画『007』シリーズで主人公のジェームズ・ボンドが愛飲している「ウオッカ・マティーニ」。
このカクテルはシェイクで作られます。
今回は標準的なマティーニのレシピで、技法のみをシェイクで仕上げてもらいました。
(マティーニに関するコラム記事はコチラから)
若干、水っぽくなっていますがアルコールのキレが和らぎスムーズで飲み易いですね。
作成直後は空気が入っていて白濁していますが、時間が経過すると共に徐々に透明度が戻ってきます。
マティーニってアルコールによるキレが特徴なのですが、「牙を抜かれた狼」のような印象ですね。
お次はシェイク。
シェイクで作られるカクテルも多くありますが、今回は特にシェイクの恩恵を多大に受けているであろうカクテルを敢えてチョイスしてみました。
で、作って頂いたのがグラスホッパー。
(グラスホッパーに関するコラム記事はコチラから)
グラスホッパーはクレーム・ド・カカオ、クレーム・ド・ミント、生クリームから出来ているリキュール・ベースのカクテル。
ジン、ウオッカ、ラム、テキーラという、カクテル・ベースとなるお酒に頼らないカクテルです。
リキュールは糖分が多い物が多いですが、上記の2つもご多分に漏れず糖度が高いです。
ちなみにクレーム・ド・カカオの糖分は1リットルあたり250gと約25%が糖分です。
また、クレーム・ド・ミントの効き具合にも注目しています。
シェイクで仕上げる場合、空気が入るのでミントの味わいは結構穏やかになるのですが、ステアで仕上げた場合にその辺がどのように感じられるのか。興味津々です。
バーテンダーにこの無茶なお願いをした訳ですが、バーテンダーも少し考えました。
先ずはシェイカーのボディの部分に材料を入れ、バースプーンでシッカリと攪拌した後、ミキシング・グラスに移してステアするという方法を取りました。
流石に氷を入れたミキシング・グラス内で3つをシッカリと混ぜ合わせるのは不可能と考えたのでしょう。
で、出来上がったグラスホッパーの味わいですが予想通り、通常よりもミントが強く感じられます。
そして、後味として残る甘さが意外と強く感じられます。
シェイクという技法によって、空気を含んだ液体は舌に当たる感覚を穏やかに感じさせるのでしょう。
また、シェイクによる氷の砕けもないので、素材本来の味わいがストレートに感じられますね。
マティーニはお酒本来の味わいを大事にしたいのでステア。
グラスホッパーはミント感や甘みを空気を含ませることで穏やかに振りたいのでシェイクという技法が使われるのが良く判ります。
という訳で今回はカクテルの技法を変えて作ってミタ訳ですがいかがだったでしょうか。
ただ、バーではあまりオーダーしない方がいいと思います。
本来のカクテルのポテンシャルが出ていないので…

