| バーに関する話題 伊東のバーに行ってきました。 |
バー紀行を読んでいらっしゃる方ってバー好きが多いのか、良く判っていないのですが、まぁ仮にバー好きが多いってことで話をします。
皆さん、行き付けのバーがあると思います。やっている人も判っているし、お客さんも知っている人が多い。
たまたま居た方と話をしたり、バーテンダーと四方山話に花を咲かせるのって楽しいですよね。
でも、私はたまに思うのですが、行った事のないバーにフラッと出かけてみたくなるんです。
私の普段の行動範囲といえば、地元三島はもとより、勤務先である静岡、隣町の沼津あたりが多いのは何となく判っていらっしゃると思います。後は稀に富士駅前で飲んでる事もあります。
でも、バーって色んな場所にありますよね。過去には名古屋、福島、神戸などのバーをこのコラムでもご紹介した事があります。
ただ、この場合、別の目的があって夜、更に泊る事が出来ると言う状況が重ならないと行けない。遠方だと特にそのようになります。
でも、終電でギリギリ帰って来れる場所であれば、態々であっても行ってみたい!と考えたりもする訳です。
と、今回は前置きが長くなりましたが先週、前から行ってみたいと思っていたバーに行って見ました。
場所は伊東市。ラーメン紀行の読者なら、私がラーメン好きになった吉田家がある土地である事はお判りだと思います。
伊東市って温泉もあって、観光地としては申し分ないのですが、態々泊りに行く距離でもない。でも、終電で何とか帰って来れる距離でもあります。
今回はラーメン紀行の取材も兼ねて、伊東市にある老舗バー、「トリスバー」にお邪魔してみました。
店の創業は1955年。今から60年前になります。これだけ古いバーは静岡県東部で唯一ではないかと思います。
店は伊東駅から歩いて10分程度。有名な東海館の近く、ラーメン好きな方には「くるまやラーメン」の隣と言えば通りが良いでしょうか。
店舗は2階にあり、急な階段を昇って店内へ。
沼津、三島の老舗バーもそうですが、昔のバーって何で2階にあるんでしょうか。しかし、この店には2階にある理由があるそうです。その話は後述しましょう。
店内はカウンター席とテーブル席が2組。バックバーには多くの洋酒が置かれています。
この店の先代は既に亡くなられており、今は先代の息子さんと奥様で切り盛りされています。
息子さんと色々とお話をさせて頂いたのですが、開店当初は色々とご苦労もあったようです。
特にウィスキーと言うものが一般に認知されていなかった事もあり、保険のために当初は甘味処と併設されたようです。
ただ、温泉街なのでホテル等で働かれている方の中に東京から来られた方などが居て、そう言うウィスキーを知っている方等に可愛がられたとのこと。
また、ウィスキーが一般に普及し始めると営業も軌道に乗ってきたと言うことでした。
この店、「トリスバー」とサントリーの「トリス」が屋号に付いている訳ですが、実はサントリー(当時の壽屋)には無許可で使用していたとの事。
ある日、壽屋の社員が店に来て、怒られるかと思いきや、バックアップしたいと申し出てくれたそうです。
そんな経緯もあり、この店は今は少なくなったサントリーのチェーン・バーとして営業しています。
昔は電気店もチェーン・ストアーって多かったですよね。
ただ、チェーン・バーだからと言って、限定品を優先的にゲット出来るとかはないそうです。
で、何故、店舗が2階にあるかという話なんですが開店当時、前述通り、甘味処を併設していた頃は1階に店舗があったそうです。
ただ、漁師町という事もあって、お客様は酔うと騒がしい方も少なくなかったそうです。
そこで、静かに飲みたいお客の為に1階より少しだけ価格帯が上の店舗を作り、お客の住み分けをしたようです。
しかし、1958年(昭和33年)、かの有名な狩野川台風がやってきます。
1階部分から水が店内に入り、お客達は2階へ避難。
お客達はそのまま、お酒を飲んでいたらしいのですが、水は1階部分が水没するほど、水位が上がり大変だったようです。
1階部分は再使用が出来ず、現在のように2階での営業が定着したようです。
また、現在の店舗はその当時の店内ではなく、改装されているようです。
一つの店が60年も続くと色々歴史もあるもんですね。
もう、話を聞いているだけで楽しすぎて、いつまでもその場に居たいバーですが、そろそろ終電の時間です。
機会があれば是非、再訪してみたい一軒でした。

