| 小ネタ集 生クリームについて |
今回は生クリームについて少し書いてみたいと思います。
カクテルでも使用されることの多い生クリーム。グラスホッパー、アレキサンダーなど、リキュールと混ざった形で飲む場合もあれば、ホワイトルシアンのようにフロートされた状態で供され、直接飲む機会も多いですよね。
何故、生クリームについて書いてみようと思ったかと言えば、ちょっとしたエピソードがあります。
先日のこと。
YouTubeにアップされたクリーム系のパスタを作るために、会社帰りに近所のスーパーに立ち寄った時のことだ。
スーパーにあまり行かない私ですので探すのに苦労しましたが、何とか見つけた陳列棚には2種類の生クリームが置いてありました。
まぁ、料理動画も好きな私ですので知ってはいましたが、動物性油脂と植物性油脂の生クリームでした。
植物性を使用しているバーもありますが、バーで使用されている生クリームは動物性が多いです。
また、植物性の生クリームは所謂「フレッシュ」と呼ばれるもので、コーヒーに入れたりするほか、ケーキのホイップとして使用される場合も多いですよね。
ここで私は考えました。
「この2つって飲み比べたら違いがあるのかなぁ?」
そんな風に考えるともう両方買っちゃう私。目の前に2つ置いて飲み比べるのが一番判り易い方法であることは、ウイスキーの飲み比べなどを通して理解していました。
と言う訳で今回はこの生クリームについて少し調べた結果を掲載してみたいと思います。
前述したように動物性油脂と植物性油脂の2種類がある生クリーム。
厚生労働省の「乳及び乳製品の成分規格等に関する省令」によれば、動物性の生クリームは「種類別「クリーム」」と表記され、「生乳、牛乳、特別牛乳又は生水牛乳から乳脂肪分以外の成分を除去したもの」と定義されます。
反して植物性の生クリームは「名称「乳等を主要原料とする食品」(以下、乳主原とする)」と表記され、「乳脂肪の一部を植物性脂肪に置き換え、乳化剤や安定剤を加えて作られたもの」のようです。
また、種類によっては動物性油脂を使用しながらも乳化剤や安定剤を使用したものもあるらしく、それらは種類別としては「クリーム」と呼べないようです。
要は「クリーム」はシングルモルトウイスキー、「乳主原」はブレンデッドウイスキーみたいなもんです。(多分、違う…)
クリームは精製していない乳を加熱殺菌した後、放置、冷却してクリームを上層に分離させる方法と遠心分離機を使用してクリーム分とそれ以外を分離させる方法があるようです。
乳脂肪分を抜いたものを「脱脂乳」と言い、乾燥・粉末にしたものが皆さんご存知の「脱脂粉乳(スキムミルク)」になる訳です。
製品の乳脂肪分のパーセンテージの違いは、乳脂肪分をどれだけ製品に残すかによって変えています。
ちなみに4%の乳から40%のクリームを得るには1リットルの乳が必要になります。
何だか、ウイスキーの蒸溜工程に似ててワクワクしますね(全然似てないしワクワクもしない…)
乳主原に使用される乳化剤はラーメン好きには有名なとんこつスープの「骨髄」から出ているアレと同じで、「水と油を混ぜ合わせる」役目を持っています。
そして、乳化した状態を保持するために「安定剤」と呼ばれる物を添加しています。
乳主原の製品にも乳は入っていますが、安価に製造するために「植物油」を加えています。
使用される植物はコーン、綿実、大豆等が使用されているようです。
それでは飲み比べをしてみたいと思います。
先ずは見た目ですが、動物性の方が若干ですが黄色味がかっています。
これって画像で伝わるか判りませんが、実際に見た感じは本当にうっすらと黄色いです。逆に植物性は真っ白ですね。
で、お味の方ですが、動物性の方は流石に乳臭い香りが鼻腔内でアフターとして残りますが、植物性の方はそれがありません。
ただ、舌の端の方で感じるオイリーな印象やコクといった印象は大した差はありません。
リキュールなどと混ぜてしまえばそのアフターに残る香りさえ消えてしまうと思うので、カクテルにどちらが合っているかと言えば、そこまで大きな遜色はないと予想されます。
と言う訳でショットグラスの中でホワイトルシアンを作って飲んでみました。
ウオッカ 1/2
カルーアコーヒーリキュール 1/4
生クリーム 1/4
ショットグラスの容量は22mlなので、ウオッカ10ml、カルーアと生クリームはそれぞれ5mlで作ります。
メジャーカップでは計れないので、ウイスキーの加水用に使用している注射器(10mlと5ml)を用いて計量です。
注射器はクリームをフロートさせるのが楽で良いですね。
今回はどちらも一気飲みなので、全く違いが判りませんでした(笑)
と言う訳で生クリームについてでしたがいかがでしたでしょうか。
「動物性以外は悪」みたいなラーメンでいう化学調味料のようなことを言い出す人もいますが、植物性には植物性の個性もありますし、用途もあります。
バーでは動物性が多いと書きましたが、植物性のそれは価格も半額なのでメリットもあります。
味的にも特に混ぜ込めば遜色もありませんので、バーテンダーが思う客単価で選んでいる場合もありますし、結果としてそれはお客である私達に価格として還元されるものです。
皆さんも飲み比べてみてはいかがですか。(絶対しないと思いますが…)

