| 小ネタ集 下品な水割りから判ること |
とあるバーでのこと。
その店のバーテンダーは夜が更けてくると自らが飲むためのビールを注いだり、水割りを作って飲んでいる。
平日の夜。10時過ぎの店内にお客の数は少ない。
今宵もビールから始まって、その後は水割りに移行するのがいつもである。
自分が飲む水割りなので、氷の数、ウイスキーの量、水の量も全て適当で、その液面はグラスの淵ギリギリである。
「満タンですね」
バーテンダーに言うと、バーテンダーはこんな事を言った。
「こういうのを『下品な水割り』っていうんだよ」
下品な水割り。確かにバーでは見慣れない量である。
これがショートカクテルならグラスの淵ギリギリまで入れることはあるが、ロングカクテルでは8~9割程度で納めている場合が多い。
何故、満タンに入れないのか?
その答えを私は過去に聞いた事があって知っていた。
と言う訳で今回は別のバーで通常の水割りと「下品な水割り」を作ってもらった。
ちなみにそのバーテンダーには特に説明をすることなく、「満タンで水割りを作って」とだけ言って作って頂いた。
画像を見ると判るのだが、液面が淵ギリギリまで来ると、氷がグラスの淵を越えているのが判る。
ショートカクテルの場合、揺れるのは液面だけなので何とかグラスを持って飲むことができる。
しかし、氷が入ったギリギリのグラスを持つと、氷は不用意に動き回り、液面を動かす。
下手をするとこぼしてしまう可能性があるのだ。
また、氷が鼻に当たる場合もあるので、最初だけ非常に飲みにくいのである。
バーではカッコよく飲みたいのもだが、グラスを持たずに口の方をグラスに運ぶ、所謂「犬食い」状態は傍から見ていてカッコいいものではない。
そういう意味もあって、バーでは満タンにしたり、氷がグラスから飛び出すような入れ方は絶対にしないのである。

