| 小ネタ集 誕生日 |
今日は私の誕生日。
四捨五入するといよいよ50の声が聞こえる今宵も一人、バーで過していた。
平日の夜をバーで過す事が多い私だが土曜日はラーメン紀行の取材もあるので飲みに出歩く事は少ない。
しかし、この日に限ってはたまたま飲み会があった関係から1次会の帰りがけに行きつけのオーセンティックバーに寄った次第だ。
以前、このバーを任されているチーフバーテンダーの方の誕生日が2月だった事を他所のバーで知った私は当時、ささやかなプレゼントを買ってお祝いした事があった。
このチーフバーテンダーにはバー紀行の関係で本当にお世話になっている方でそう言う日頃の感謝の意も込めてのプレゼントだった。
まぁ、あまり高価な物をあげても引かれるだけなので、気軽に貰って頂ける程度の金額の品物ではあったが気持ちだけは伝えられた気がした。
「おっ、土曜日に来られるのは珍しいですね」
チーフバーテンダーが声をかける。
実は今夜の飲み会はちょっとした婚活のイベントである事をここで暴露。
しかも参加するには抽選で当らなければならないハードルがあったのだが、開催日が誕生日と重なったので応募時にその旨を返信したのが功を奏したかは別にして見事に当選。
そんな経緯をチーフと話していた。
夜11時。
テーブル席の4人客とカウンターは私だけ。土曜の夜だが時間的にも比較的暇な店内だ。
私はチーフバーテンダーの動きを観察する事が多いのだが、先ほどからぺティナイフを短めに持ち、何だか細かい作業をしている事に気が付いた。
その様子をジーっと見ている私。ひたすら作業に没頭するチーフ。
「さっきから何やってるの?」
私が訪ねると「ナイショです」とにこやかに悪戯っぽく答えるチーフ。
前述した通り、店には私と4名の客がいるだけ。向こうのテーブル席でオーダーが入ったのだろうか。オーダーされるカクテルの種類によっては綺麗な飾り切りを施す必要のあるメニューがあるのも事実だが、ここまで時間を割いて作業をしている姿はあまり目にした事がなかった。
「お誕生日、おめでとうございます。」
お祝いの言葉と共に突然、指し出されたグラス。
真っ赤な色をしたそれを「キール・ロワイヤル」と言うらしい。
カシスのリキュールとシャンパンをビルドで仕上げたカクテルだ。
注がれたロックグラスの淵にはチーフが時間をかけて作った飾り切りが施され、レモンとライムの皮を使って私の年齢である「45」の文字が作られていた。
話は反れるが以前、この店で過去に何度か一緒に話をした事がある女性と再会した事があった。
「実は先ほど告白されてまして、お付き合いを始めました」と言うタイミングでの来店だった。
その時、私の隣で一緒に飲んでいたこの店のオーナーがお祝いにとやはりシャンパンを出してお祝いしていた光景を思い出していた。
シャンパンと言う酒はそう言う「めでたい時」に飲む酒である事は結婚式の乾杯などで振舞われる事でも知っていたが今回のキール・ロワイヤルもそう言う意味も込めてのセレクトだったのであろう。
この歳になると誕生日を迎えること自体は歳を重ねる事になるのであまり嬉しさはないのだが、祝ってくれる人が居ると言う幸福感を身を持って体感出来る貴重な日でもあり、それ自体は幾つになっても嬉しいものだ。
今回のチーフバーテンダーをはじめ、mixi内でもマイミクの方からお祝いのメッセージを頂いた。
この場を借りて感謝の気持ちを送りたいと思います。
本当にありがとうございました。
こんな飲んだくれな奴ですが末永くよろしくお願いいたします。
※誕生日に行けばこう言うサービスを受けられると言う訳ではありませんので予めご了承ください。

