小ネタ集 人を引き付けあう場所

皆さん、こんばんわ。マスターです。
今回のコラムは私がバーで体験したちょっとだけ不思議な出来事について書きます。
ノンフクションではありますが一部、私以外の登場人物も居る事やその人物の心情を察する事が出来ないことから、作り話(フィクション)だと思って読んでみて下さい。

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静岡での勤務を終えた私は三島に向っていた。
21時48分に静岡を発った新幹線。22時10分過ぎに三島に到着する。
「今日は何処のバーに寄ろうか?」
バー紀行を見ながらご無沙汰になっているバーを探していた。


同時刻。
大泉(仮称)は名古屋での仕事を終え、同僚と久しぶりに一杯やった後。静岡に向う新幹線に乗車していた。
21時23分に名古屋を出発したひかり536号の静岡着は22時9分。約1時間の乗車である。

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22時20分。
三島に着いた新幹線を降りた私は何気に携帯を見てみた。
するとメールが着信しているランプが点滅している。
確認してみると行き着けのバーのマスターからだった。
「パソコンが繋がらず困ってます。もう帰ってしまいました?」
行き着けのバーは三島駅の近くにある。これから行くと連絡を告げ、そのバーへと向った。

同時刻。
大泉は困り果てていた。静岡で降りるはずだったのだが酒に酔っていた事もあり降りそびれてしまったのだ。
しかも、乗車しているのはひかり号。次の停車駅は新横浜である。
時間は既に22時を過ぎ、終電も近い時間。じたばたしても仕方ない。取り合えず新横浜へ向った。

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22時51分。
私はバーで悪戦苦闘していた。
無線LANの設定をイジってしまったマスターのノートPCがインターネットに繋がらないと言うのが今回の症状だ。
そもそも、この店の無線LAN環境は私にとっては曰く付きの物。過去、これを繋ぐためにどれだけ苦労をした事か…
無線LANばかりじゃなく、ノートPCの調子が悪くなる度に呼ばれ、直してきた。バーに来ているのに酒に酔っている暇がないのだ。

同時刻。
大泉は新横浜駅で下車。反対方向の列車の到着を待っていた。
取り合えず戻れる所まで戻りたい。しかし、既に静岡まで戻れる列車はない時間。最終列車は三島止まり。
大泉は過去に三島駅前のサウナで一泊した経験があった。
「仕方ない。そのサウナで今夜は一泊するか…」
そんな事を考えながら15分後にやってくる三島行きの最終列車の到着を待った。

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23時40分。
これと言って進展を見せない状況にようやく明かりが見えてきた。
取り合えず有線で繋がる事は確認出来ているのでノートPCの無線LANデバイスの故障か、あるいはデバイスドライバの不調か。
とにかく、ネット回線には問題はない。
私は携帯端末を取り出し、バーの無線LAN回線に接続してみる。あっさりと繋がる無線LAN回線。
「これさぁ、無線の電波は出てるよ。ほら、こっちは繋がったぞ」
そうなるといよいよノートPCの無線LANデバイスが怪しい…

同時刻。
大泉は三島駅に到着していた。
取り合えず宿は確保出来ているという安心感から先ずは腹ごしらえとばかりに駅前の大盛りラーメンをウリにしている店へと向う。
名古屋で飲んできてはいるが取りえず降り立ったと言う安堵感も手伝ってか腹が空いた。
後はサウナに行って寝るだけだ。

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0時20分。
今回の障害の原因がようやく判った。
マスターのノートPCは無線LANデバイスを使用する際、切り替えスイッチをONにして無線LANデバイスを起動する。そのデバイスのスイッチが切れていただけだったのだ。
通常、デバイスが切り替わる場合はインジケータが点灯してデバイスの稼働状況を知らせるようになっている機種が多いのだがマスターのノートPCにはそれがないので始末が悪い。
約2時間もかかった障害対応も終了。時計を見ると0時半に差し掛かっていた。
『ぼちぼち帰るかな』
グラスに残ったバーボンソーダがそろそろ終わる。これを飲み終わったら帰ることにしよう。
そんな事を考えていた時、視線の端にあるバーの入り口に人影を感じて振り向いた私は…

同時刻。
大泉は困っていた。
ラーメンを食べ終わり、過去に泊まったことのあるサウナに向ったのだが、そこにサウナの文字はなく、飲食店に姿を変えていた。
宿の心配も然ることながら、こうしていても仕方ない。どこかの店にでも入るか?
『仕方ない。バーでも探すか…』
三島は勤務先の協力会社の人が住んでいる。その人はバーが好きな人。バー紀行というサイトもやっている。でも、時間は既に0時半に近いので流石に呼び出したりするのは憚られた。
この時間、三島にいる事自体、自分としては珍しいこと。三島のバーで夜を明かす事は出来ないかもしれないが外をウロウロしていても仕方ない。
駅から南に続く坂道に例のサウナはあったのだが今はその姿はない。そのまま南下すると市民ホールと思しき建物を堺に歓楽街が終わってしまいそうだ。
仕方なく右手に折れ、大通りから一本外れた路地裏に入る。
寂れた感じのその通りにそぐわない、アメリカ国旗を掲揚したバーらしき店があった。
その店、バーらしいのだが、バーにありがちな閉鎖的な雰囲気はなく、ガラスエリアが多くて中の様子が伺える。
『どんな店なんだろう?』
中を覗くとそこには見覚えのある後姿がマスターと談笑をしていた。

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と、作り話はここまでです。
大泉さんの行動はある程度真実ですが心の描写は私の想像です。

マスターのノートPCが調子悪くなったこと。
私が丁度三島駅に降り立った時にメールが到着したこと。
無線LANの設定に梃子摺り、時間がかかったこと。
そして、この判り難い場所のバーをたまたま見つけた大泉さん。
色々な偶然が重なった夜でした。

ちなみに大泉さんはこの後、バーのマスターに駅前の宿を電話で予約してもらい、私と大泉さんは再会を祝って更に飲みましたとさ。

めでたし、めでたし。

公開日:2012/04/29

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