| 小ネタ集 おもてなしの心 |
こんばんわ。マスターです。
今回のテーマは「おもてなしの心」です。
何だか仰々しい書き出しですが良いバーテンダーと言うのは常にお客様を見ており、色々な事を感じ、もてなす事を考えていると思います。そして、それが居心地の良さとなり、「また来よう」とリピートに繋がります。
今回は私がこれまでバーで見たり、聞いたり、感じたりしたバーテンダーの「おもてなしの心」について少し書きたいと思います。
エピソード1 大きさの違うグラス
あるバーでの事。
私の隣にはカップルの方が座っていました。女性の方もお酒が結構お強いようで、男性と同じウィスキーをロックでオーダーされました。
バーテンダーが注ぐウィスキー。その仕草を何となく見ていた私はちょっとした違和感を感じました。
ウィスキーのロックを2杯と言う同じオーダーなのにグラスの大きさが違うのです。一つはドッシリとしたロックグラス。もう一つはひと回り小ぶりなロックグラスでした。
そして差し出されるグラス。太さが違うので液面の高さが明らか違います。そんな様子から女性の方がやはり、私と同じように感じたらしく、マスターに聞いています。
「何でグラスが違うのですか?私の方が量が多く入っているように見える。」
『そうだよねぇ。』
私も心の中でそう思いました。するとマスターはこう答えました。
「女性の方は手が小さいので大きなグラスでは持ち辛いと思いまして、一回り小さいグラスでご用意しました」
エピソード2 一瞬の振り向き
そのバーは地元でも有名な繁盛店。今宵も多くのお客様で賑わっています。
私もこのバーへはたまに顔を出すのですが、この賑やかさが少し苦手。もちろん、今宵もテーブル席はおろか、カウンター席もほぼ満席で店内は多くのお客の話し声で賑わっています。まぁ、お酒を飲む場所なので少しばかり羽目が外れるのは仕方ない事。楽しく飲んでいるのならそれも良いとは思いますが。
カウンターに座っている私の背後にはテーブル席があり、初老の男性ばかり4名が結構酔った感じで騒いでいます。
そして、その内の一人がスマホの動画機能を動作させ、仲間にその動画を見せ始めました。
『えっ?』
話し声とは明らかに違う音が聞こえた事もあり、私も一瞬、後ろの客の方を見ていました。そして、その光景をもっと早く察知したその店のマスターがやんわりとその行為を禁めようと動いていました。
そしてカウンターに戻ってきたマスターが私に小声で一言。
「店内が騒がしくて申し訳ありません」
マスターは私が一瞬、振り向いたその動きすら、見逃してはいなかったのです。

