| 42歳の初体験 第6章 富士山 下山編 |
公開日:2009/09/12
7月26日 6:18am Hさんの息子さんが高山病を発症した関係からお鉢巡りを中止し、下山することにした私達一行は山小屋を出た。

すると、燦々と太陽が顔を覗かせた。



目の高さの雲が一気に晴れ、目の高さに下には一面の雲海が広がっていた。
「すごい…」
昨日からずっと天気が悪く、景色と言う物が全く見えなかった私達は大いに浮かれた。寒いわ、辛いわ、ご来光は見えないわで踏んだり蹴ったりの富士登山で初めて「来て良かった!」と思える瞬間だった。

6:27am 富士宮口から登った私達は当初の予定通り、須走口下山道を目指す。どちらにしても火口沿いを歩かないと須走口下山道に行くことは出来ない訳で「プチお鉢巡り」となった。



火口には万年雪があり、一年中溶けないのだと言う。今も白い部分がうっすらと残っているのが判る。火口沿いの道は火口から吹き上げる風が非常に強く、注意して歩かないと滑落しそうである。



火口を歩いていると段々と下界に見える景色も変わってくる。富士宮口方面は富士市方面から駿河湾を見ている感じになるのだが、段々と東方面を見ることになる。それを一番顕著に表しているのが山中湖と河口湖の存在である。いつもは湖畔を車で巡る訳であるが、今回は上から眺めている。河口湖には河口湖大橋と言う橋がかかっているのだが、それも確認出来た。

6:59am いよいよ、須走口下山道を示す看板が見えてきた。これまでの写真で富士宮口登山道ではブルーの看板ばかりであったが、須走口は赤で示されている。この色を覚えておけば迷うことは少なくなる。須走口下山道は途中から御殿場口下山道と分岐することから、この色を頼りに下りると良い。



須走口は全体的になだらかな傾斜で砂利混じり。富士宮口とは違い、登りやすいであろうが、細かい砂利に足下が滑ることも考えると体力的ロスが多そうな道である。逆に下りはこの滑りやすそうな道に注意しながらの下山になるため、妙に力が入り、足が疲れる。個人的には登りよりも下りの方がキツい。
昨日までの天候が嘘だったかのように気温もグングン上昇し、休憩の度に一枚づつ上着を脱ぎ捨て、最終的にはTシャツ一枚になる。

7:54am 八合目に到着。ここは吉田ルートとの分岐点にあたる所である。ここで間違うと別の下山道に入ってしまうので注意が必要だ。私とHくん以外のメンバーは登りは遅かったが下りは何故か早い。特にAさんとHさんの女性陣は異様な早さで下りていく。この違いって何なのであろうか?

8:47am 下山開始から2時間半後。本六合目に到着した。ここに良い感じのテーブル席があったので大きく休憩をとる。この後。この下山道で一番の楽しみである「砂走り」が待っている。砂走りとは細かい砂の多い下山道で足にかかるショックが少ないため走るように下りることが出来るという。世界中に山は数有れど、こういう下り方が出来る山は富士山をおいて存在しないと何かの本で読んだ覚えがある。



そしていよいよ砂走りである。上から見るとほぼ直線になった下山道で確かに皆、下りるペースが早い。この下り方にはちょっとしたコツがあるらしく、上体はやや後方に反らし、踵から着地する感じで後はリズミカルに下りる。この時、ゲーターと言うスネから靴にかけてカバーする物を持っていると靴の中に砂が入るのを防げるのであるが、持ってない人はコンビニ袋とガムテで即席に作ってもいいだろう。(勿論、使い終わった後のコンビニ袋は持ち帰りましょう)


9:44am 砂走り区間が終わるとそろそろ砂払五合目に到着する。正直、下りはHくんと共にダラダラと下りてきたため、女性陣とHさんの息子さんに迎えられる形で到着することになる。
売店があったので水を購入して休憩。後は車に乗って帰るだけだ。
「駐車場までは後2000歩ほどある」
Aさんが私達に言った。2000歩って何mあるんだ?1歩50cmだと考えると約1kmということになる。ここからが長かった。
行けども行けども駐車場なんて見えやしない。駐車場があると言うことは人工的な建造物が一緒に見えてくるであろうと考えていたが、大自然の真っ直中と言った感じがずーっと続いた。正直、体力的にもそろそろ限界点が見えてきていた。
ある看板が目に入る。

「しゃー!!!ゴールはあと少し」
ここ2日間で学習した事がある。この手の看板は信用してはいけないということだ。学習前は「よし、頑張ろう!」となるが、学習後だと「こりゃ、まだまだ遠いな」と感じてしまう。正直、全然遠かった。

10:28am 人工的な建造物が見えてきてちょっと期待する。古御岳神社と言うらしい。ここまでの登山の無事に感謝した。


そしていよいよ、到着の兆しが見てきた。人が多く、如何にも登山口のスタート地点の雰囲気である。

トイレも見えてきた。ちなみに富士山のトイレは有料で糞尿を微生物分解する「バイオトイレ」と言うのが一般的だ。
土産物屋が並ぶ参道を抜け駐車場に向かう。車まで行けば全てが終わる。正直、体力も限界でヘトヘトだった。駐車場は何処だ!

駐車場への道が見えてきた。その道はこの2日間で一番の急斜面だった…
(おしまいじゃない)
