42歳の初体験 序章

公開日:2009/08/02

他事笑論を楽しみにしている読者の皆さん、こんにちは。管理人です。
文頭から話は反れますが皆さんは初体験って聞いて何を想像しますか?
こんな書き方をすると「またぁ、今回の他事笑論はエロネタですか?」と言う読者の声が聞こえてきそうだが勿論、エロではない。(今回に限っては)
ラーメン紀行と言うこのサイトの読者層は何歳くらいが中心になっているのか?調べたことが無いので想像で物を言うしかないのだが、30代以上の男性が圧倒的に多いのではないかと感じている。その理由としては歳を重ね、多くのラーメンを食べている経験があるからこそ、自ら情報を得ることに努力し、今までに味わったことのないラーメンを食べたいと言う欲求があるからだと考えています。

突然ですが皆さんも経験がありませんか?
例えば車の免許を取り、初めて自分の車を手に入れた時の事を。車に乗るだけで楽しくて、遠くに行けば行くほど楽しくて。普段、何気なく見ていた景色が車窓を通して見ると何故か新鮮だったことを。
例えば友人との初めてのBBQ。ワクワクしながら皆で計画を立てる。当日は皆で食材を買い出しに行きながら現地に向かう。炭に火を起こし、ワイワイ言いながら肉を焼き、食べたり飲んだり、楽しく語り合ったりして過ごす一日。楽しい時間はあっと言う間で、「また行きたいね」なんてセリフを最後にしたあの頃。

しかし、人は経験を重ねる度にその新鮮さも感動も薄れ、その内、何もしなくなる。それは同じ事を繰り返している自分に気が付くからだと私は思っているし実際、私自身もそうだった。
「経験豊富」と言う言葉は人から見ると誉め言葉であるが、自分に置き換えるとこんなに退屈な言葉はない。
歳を取るとそんなワクワク、ドキドキが無くなってくるのです。悲しいことに。

とまぁ、今回も長い前置きから始まった訳ですが今回、私はそんなワクワク、ドキドキの体験をしてきました。どんな体験かって?まぁ焦らないで下さい。今回も何回かは判りませんが連載企画になっています。
では、時計を6月の初めに巻き戻して、今回の話を初めましょう。

それは6月初旬。何げに立ち寄った地元のワンショットバーでの出来事だ。
平日だったこともあり、客は私だけ。酒を飲みながらマスターと談笑をしていると2人の女性が入ってきた。
この女性達の一人は何度かお店で見かけた事があった。勿論、名前も知らない(便宜上、以降はHさんとする)。マスターも含め、4人で話をしていると、会話はいつしか富士山登山の話になった。
実はこの二人。今月末に富士山に登るのだと言う。事の始まりはHさんの息子さんが「富士山に登ってみたい」と言いだしたのがきっかけらしい。そこでもう一人の女性(以降、Aさんとする)が誘われる形で話がまとまり今月末、富士山を目指すことになったようだ。
ちなみにHさんは過去に一度だけ富士山に挑戦し八合目で下山した経験を持ち、Aさんは初めての富士山だと言う。

時は流れ6月末。
これまた何気に立ち寄ったワンショットバーにHさんの姿が見えた。
私自身も忘れていたがマスターが「そう言えば今日は富士山じゃなかったっけ?」と言いだした。
聞く所によると山頂にはまだ残雪があるらしく、八合目までしか行けないので延期したのだと言う。
そんな会話の中で発覚したのだが実はマスターも過去に富士山に登った経験があると言う。意外な人(失礼)が意外にも富士山に登った経験があるのである。
静岡県民、特に東部に住む者にとって富士山は特別な山ではない。天気さえ良ければいつでも見られる。ましてや登ろうなんて考える東部の県民は意外と少ないんじゃないかと勝手に思っていた。
「富士山は登る山じゃなくて、見る山だよ」
私自身、よくこんな言葉を発する事がある。県外の人は静岡県民は一度は富士山に登っていると勘違いしている時に良く出るフレーズである。
この店の中で私だけが富士山に登った経験がないのである。

「良かったら一緒に登ってみませんか?」

突然、Hさんからお誘いを受けた。

「良いじゃないですか。一度、登った方が良いですよ」

マスターも後に続いた。

しかし、「じゃあ、行きましょうか!」と簡単に言える内容ではない。登山した経験もない。どんなにツラいのかも判らない。何も判らない状況に自らを置くことの恐怖みたいなものが私を支配していくのが判った。「経験や知識が豊富」と言うことは、逆にそう言う状況に自らを導かない保身術に長けていると言うことである。そんな「経験豊富」が自らのワクワク、ドキドキの機会を逃しているとも言えるのであるが。
ワンショットバーのカウンターで私は考えた。どうすればいいのか?行くべきか、断るべきか。そんな事を考えている時、ある考えが頭を過ぎった。

『そうだ!これは他事笑論のネタになるんだ!』

不安を打ち破るには好奇心の力を借りるしかないのである。登山とはどういう世界なのか。富士山はどんな場所なのか。何を準備し、何に気を遣えば安全な登山が出来るのか。
そんな事を他事笑論風に掲載出来れば何かの役にも立つのではないか?そう考えることにしたのである。
知らない不安は調べれは良い。体力的な不安は試して見れば良い。まだ時間はある。そう考えると不安も少しづつではあるが、解消されつつあった。
「じゃあ、一緒に行きましょうか!」
そんな訳で私の富士登山の一歩が始まったのである。

つづく

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