出会い系サイト その2

公開日:2003/05/01

「早い時間にゴメンなさい。私、結婚しているのですが、最近はなかなか主人もかまってくれません。もし良かったら私とエッチして頂けませんか?最低限度の大人の約束は守ります」

『えー!これって何?エッチのお誘いなの?』


正直、ビックリした。世の中には変わった人も居るもんだ。何の脚色もない、ただ「よろしくお願いします」と書いただけで返信する人がいるんだ。しかし、返信するのもポイントが掛かるだろうし、その気も無いし。
携帯を胸ポケットに収め、勤務先への道のりを急いだ。
このメールがこれから始まる依存症への序曲に過ぎなかった事を、この時点では気付かなかった。

仕事を開始して2時間。またサイトから何通かのメールがやって来た。
中には「真面目にお付き合いしたい。でも怖いからメル友からで良いですか?」と言ったノーマルな物も含まれていたが、大多数で「エッチしたい」的なメールが多かった。
そんなメールが一日に7、8通の割合でやって来る。携帯のメモリが悲鳴をあげ始めていた。
初期のメールはほとんど削除してしまったが、心に残ったと言うか、バカバカしい奴やインパクトの強いメールは残しておいた。いろいろな誘い方があるもんだと関心した。その幾つかをご紹介しましょう。

●まなみ(20代前半)
「明日あたりに生理が終わるから、そしたらエッチしませんか?」

●真琴(10代後半)
「初めまして~(^O^)この前初めてエッチしたんだけど、痛くなかったよ~!それどころかやみつきで~す♪ぶっちゃけて言いま~す!エッチしよ~(^O^)/」

●みち(50代)
「旦那が長期単身で毎日、毎日暇してます。若くて元気のいい30代の貴方と一度逢ってみたくてメールしてみました。」

皆、本当に溜まってるんですねぇ。と言うかある意味、病んでるんでしょうか?
男には「風俗」があります。溜まったら吐き出す術もある。しかし、女性はそうも行かない。だから、こんなにもメールがやってくるのでしょう。
誘いのメールが来ない日は一日としてなく、3日目あたりから「俺ってモテるのか?」と軽い錯覚にも似た感情が芽生えてきます。

そして一週間が経過した頃でしょうか。あるメールが飛び込んできます。

「私、この年になってまだエッチした事が無いんです。ある程度の金額でも構いません。逆援交の形で構いませんので私とエッチしてくれませんか?」

真美と言うその女性。プロフを見ると20代前半の学生であった。大学生であろう。
今まで全てのメールを放置してきたが、何故がこの子には一言、言ってやりたい気持ちになった。

「そんなに自分を安売りするもんじゃないよ。処女、大切にしてください。」

初めてメールに返信をした。一頻((ひとしき))りの間をおいて、彼女からの返信がやってきた。

「お言葉は嬉しいですけれど、どうしてもお願いできませんか?やっぱ処女の相手なんか嫌ですか?」

彼女の思いは切実だった。しかし、もうポイントがない。返信1通に10ポイント掛かるのだ。最初、無料でもらった50ポイントは、掲示板への書き込みに20ポイント、掲示板の閲覧に15ポイント(一回の閲覧は1ポイント)。既に35ポイント
振り返れば私自身、そもそも「暇つぶし」で登録した訳で、あまりエッチを目的でサイトに登録した訳でもないし・・。しかし、何故かこの子が気になった。でも、ポイントがない・・・。

『金、振り込めばポイントが復活するんだよなぁ』

サイト業者の口座に金を振り込む決心を付けるまで、大した時間は掛からなかった。
春まだ遠い静岡の街中を銀行に急ぐ私の姿がそこにはあった・・・・。

(つづく)

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