| 血痕 その2 |
公開日:2004/02/01
私「すいません。家の前に血痕があるんです。」
とにかく自分が見た状況を克明に話した。その内容はこうだ。
・半径50cmに飛び散っている。
・血痕の近くにガラスの破片がある。
・血で出来た靴跡がある。
電話の声「お宅は三島市○○町○-○○、○○さん宅で良いですね。」
向こうには電話番号からそのような情報が既に判っているらしい。流石は警察の通報システムだ。今では通常の電話でもナンバーディスプレーなどで番号は判る。しかし詳細な住所等も向こうは把握できているのであろう。
電話の声「近くに倒れている人とか居ますか?」
私「いや、そう言う人は居ません。ただ家の前なんで一応連絡しておいた方が良いかと思いまして。」
電話の声「そうですね。で、お宅さんは?」
私「ここの次男で○○と言います。」
電話の声「判りました。で、血の量はどの程度でしょうか?」
もう一度血痕を見直す。
私「そうですねぇ。100ccくらいでしょうか?」
電話の声「そうですか。少し時間は掛かりますが近くの警官をそこへ行かせますから、警官が来た時に判るようにしておいてもらえますか?後、お願いがあるのですが、現状を維持して置いてください。決して触らないように。」
そして丁寧に礼を言われ電話は切れた。イメージ的にはもう少し横柄かと思ったがそうでもなかった。
シャッターを開けっ放しにしておけば警察が来ても判るだろうが、そこを離れるのは家のセキュリティーが無防備な状態なので夜12時過ぎの寒空の下、店の前で警官が来るのを待った。
母「電話した?」
私「ああ、したよ。何か少し時間が掛かるみたい。」
そう言うとタバコを吹かしながらボーっと警官が来るのを母親と待っていた。
そこへ夜回り(火の用心のアレです)に廻っている同じ町内の青年会と呼ばれる人達が拍子木を持ってやって来た。
母「こんばんは。ちょっとこれ見てよ。」
母は血痕を指差した。
夜回りは2名。その内の一人は私の通っている床屋の主人だった。
私「あっ、こんばんは。何だ○○さんじゃないですか」
二人は血痕をマジマジと眺め、持っていた懐中電灯で周辺を照らしている。
床屋の主人「ガラスの破片もあるねぇ。それと靴跡。」
しばらくの間、二人にこれまでの経緯を話した。
床屋の主人「何か変な事件じゃないと良いけど。」
私も同感だった。変な事には巻き込まれたくはない。
夜回りの二人と話していると警官が二名やって来た。
(つづく)
