DINING BAR NEZASi ( ダイニングバー ネザシ )

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住  所静岡県三島市西若町2-9 丸光ビル1階
電話番号080-9484-9696
営業時間18:00〜0:00(月〜水・金〜土)
定休日木曜・日曜
席数カウンター5 テーブル6
駐車場なし
緯度経度
(日本測地系)
N  35゚07'06.7''
E138゚54'41.9''
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最寄駅三島広小路駅(伊豆箱根鉄道駿豆線)
三島駅(JR東海道本線)
三島駅(JR東海道新幹線)
取材日2021/12/14その他の情報...
新型コロナウイルスとの共生が私達の生活に浸透して早2年。
新生活様式が根付き、外飲みの回数が減った昨今、バー業界を含む飲食店全体が苦しい状況が続いている最中である。
私がバー紀行を始めて昨年で10年経過した訳であるが、10年前と言えば東北の震災が発生した時期で日本全体が混沌とし、先行きが判らなかった時代。
ゆるやかではあるが復興が進み、そんな傷が癒えてきた矢先、世界中を巻き込んだ今回の感染症騒ぎ。
そんな中でも新たな飲食店が誕生し、若い方を中心に頑張っている姿を見ることが出来る今日この頃である。

そんな感染症騒ぎが報じられる数か月前。三島市内に新たなバーがオープンしていた。
私がこのバーの存在を初めて知ったのは1年くらい前だったと記憶している。
Googleマップを見ている時に発見し、駅からの帰り道に店の前を何度か通って帰ったことがあった。

『ダイニングバーなんだぁ』

ダイニングバーが苦手って訳ではないが、ダイニングバーに多いのが喫煙が出来ないということと、夕飯が用意されている私はナカナカ食べながら飲むという習慣自体がなかった事もあって、触手が伸びずにいた。
喫煙以外にもウイスキーの多さはどうか?カクテルは飲めるのか?色々な思いで入店が躊躇われた。

その後、行きつけのバーのマスターからウイスキーの有無やカクテルの有無を聞き、しかも喫煙も出来る旨を聞いて、やっと重い腰があがったのである。
それが今回、ご紹介する「NEZASi」というバーである。

過去にも何度か書いた事があるのだが、私が掲載するバーを選定する時にはある一定の基準があるというのはコアなバー紀フリークの方ならご存知だと思う。
バーにいった事がない方やバー初心者と呼ばれる、バーにあまり慣れていない方をメインターゲットにしたこのサイトなので今回、掲載に至ったのには理由があるが、それは後述するとしよう。

三島市の繁華街と言えば、本町にあるタワーマンションを中心とした一角。もしくは三島駅前になるのだが、このバーはそんな繁華街からは外れた立地。
古くはバー紀行にも掲載されていた「MAHO DO」(現在は閉店)というバーがあった建物の隣に今回の店はある。
決して好立地ではないのだが、最寄り駅の三島広小路駅からでも徒歩6分。三島駅からでも徒歩10分程度。
雑踏とは無縁の静かな場所に佇む小さなバーである。
オーナーバーテンダーに屋号について聞いてみたのだが、「NEZASi」とはその地域にしっかりと根を張っていく「根ざす」という思いが込められているとのこと。
そう言えば店の看板にはその思いを具現化するかのように長い根を生やした樹木がデザインされている。

店内はカウンター5席と4名掛けのテーブル席と2名掛けのソファー席。
私などはほぼお一人様なのでカウンター席が定位置ではあるが、カップル(死語?)で来店するなら憧れのソファー席も良いかもしれない。
木材、レンガ、タイルなど複数の部材で構成される落ち着いた店内だが畏まった感じではなくどことなくホッとするような空間。
バーテンダーもラフな姿で接客をしているのでバー初心者といえども緊張する必要のないカジュアルな雰囲気である。

カウンターの奥のバックバーに目をやると、ウイスキーやリキュールなども意外と豊富に揃っており、カクテルなどのオーダーにはちゃんとメニュー表も用意されているのでバー初心者でもオーダーに困ることはない。
ただ、オーナーバーテンダー曰く、メニューに書かれていないカクテルでも、材料さえあれば作るとのことなので、気軽に頼んでみるのも良いだろう。
また、通常のバーではあまりお目にかかることのないレモンサワー等の用意があるのも特筆すべき部分である。
前述した通り、この店はダイニングバーなので、料理にあったお酒を選ぶ必要があるのだが、ビールやワインなどの醸造酒やレモンサワーやハイボールといった料理とペアリングできるお酒が揃っている。

この店に何度か通う中、お料理に関してもいくつか頂いたのだがパスタやリゾットなどのシッカリとしたものから生ハムなど酒のアテとなるつまみに近いものまで用意されている。
また、常連さんともなれば「温かいスープとかないの?」という無茶ぶりにも対応していた。これはたまたまスープストックがあったから出来たらしいのだが、何でも聞いてみると良いのかもしれない。

私も何品か料理を頂いたのだが、その中でも気に入ったのが「キッシュ」という玉子料理。
三角形に切り分けられる事が多いキッシュだがここのキッシュは四角形。パルメザンチーズ、ジェノベーゼソース、ピンクペッパーで飾り付けられた洒落た見た目。そして味は濃厚で今まで食べたキッシュとは一味違う。
ハイボールやレモンサワーは勿論、ビールにも合う。また、お一人様にもちょうど良い量なのが良い。
また、クリームブリュレなどのデザートも用意されているので食後にオーダーしてみるのも良いだろう。

更にダイニングバーには珍しいシガーの用意があるのも特筆すべき点ではないだろうか。
ダイニングバーでシガーを楽しむこと自体聞いたことがないが、オーセンティックバーであってもシガーを用意している店はそう多くない。

そして、この店を選んだ最大の理由は値段の安さである。
まぁ、チェーンの居酒屋に比べれば安くはないのだが、一般的なダイニングバーに比べると比較的安価な値段設定。
それは料理に限らず、ウイスキーやカクテルの値段にも言えることだ。
バー初心者にありがちな「高額な請求をされたらどうしよう」という不安はあまり気にしなくても良いだろう。

オーナーバーテンダー曰く、「このカジュアルな雰囲気からバー自体に慣れてもらい、もっと重厚な他のバーに挑戦するきっかけであっても構わない」という。
初心者には敷居が高いというイメージを持たれがちなバーであるが、バーも色々な業態がある。
バーに興味のある初心者の方にこの店をきっかけにバーという世界に飛び込んで頂ければ幸いである。

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