Bottle & shot Bar maze ( ボトル アンド ショット バー メイズ )

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住  所静岡県沼津市高島町27-16
電話番号055-939-5575
営業時間20:00〜3:00(月・水〜日)
定休日火曜
席数カウンター8 テーブル11
駐車場なし
緯度経度
(日本測地系)
N  35゚06'08.5''
E138゚51'40.1''
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最寄駅沼津駅(JR東海道本線)
沼津駅(JR御殿場線)
取材日2021/03/14その他の情報...
令和という新しい時代。
平成は長く続く経済低迷と神戸、東北という大災害に見舞われた時代だった。
そんな平成が終わりを告げ、新たに訪れた令和という時代を歓迎するムードに満ちていた当時を思い出す。
「次の時代はきっと良い時代になるよ」
そんな期待も込められていたかのように。

あれから3年。
日本のみならず、全世界がこれまでに経験したことのない脅威に怯えていた。
新型コロナウイルス。「COVID-19」と名付けられたこの新種のウイルスは人々の生活様式を根底から変えてしまった。
緊急事態宣言が発令され、飲食業には休業の要請が出された。
勿論、バー業界も例外ではなく、多くの店が要請に応じ、3週間から1か月程度の休業を行った。
国民の中にも「STAY HOME」が浸透し、感染者数は激減した。
しかし、「GOTOキャンペーン」をはじめとする経済政策は裏目に出て感染者は増加に転じる。
感染予防と経済復興という、真逆の問題に直面している最中である。

そんな緊急事態宣言明けの昨年6月。新たなバーが沼津にオープンしていた。
私がこの店の存在を初めて知ったのは昨年の11月。バー紀行にも掲載されている「Noise」のマスターから聞いた話で、このコロナ禍にあって新たにバーをオープンさせたのだという。
新しいバーの情報を聞くと取り合えず一度は行ってみたいと思う私。聞いた次の日にはその店に向っていた。

しかし、営業時間などの詳細情報が全く判らなかったので取り合えず19時を目指して行ったのだが、先ず店の場所が判らない…
Noiseのマスターからは「判りにくい場所にある」ということと「リコー通りからではなく、裏手の路地から入った奥の方にある」とだけ聞いていたのだが…
実際に行ってみると、扉の開いた店があったので覗き込んで中の人に声をかけた。
彼はビックリした顔をしていた。どうも営業時間前の支度中に声をかけてしまったようだ。
私が初めてこのバー「maze」を訪れた時のことをこれを書きながら思い出す。
考えてみればのっけから変な出会い方をしたものだと思う。

店の屋号である「maze」「迷路」という意味で立地的にも屋号を体現しているのではないかと思うのだが、実はちょっと面白い話がある。
前述したように店はリコー通りの裏手の路地から向かうのが通常なのだが、実はリコー通りから向かう手段もある。
リコー通り沿いにある「一徳」という店の横にこの店が入っている「大石ビル」の階段がある。
2階にある韓国焼肉の店に向かうにはこの階段を登っていくのだが、その先をある道順で進むとこのバーの前に出る事が出来るのだ。
店舗画像にあるようにドアが2枚見えるのだがその一つから出てこられる。その道順が正に迷路のようで面白いのだ。
ここで多くは語らないので興味のある方は是非、試してみて欲しい。

オーナーバーテンダーは市内にある「ラウンジバー くじら」という店でバーテンダーとして10年以上の経験を持つ、未だ30代の若きバーテンダーである。
営業開始時間を待って入店すると若向きなショットバーという雰囲気の店内。薄暗い店内に寒色系を基調にした照明は、オーセンティックとはまた違った落ち着きを持っている。
メインカウンターはローチェア8席を有するロングカウンター。沼津市内のバーはハイカウンターの店が多い印象だが、ローカウンターは地に足を付けてゆったりと座れるので落ち着いて過ごすことが出来る。
また、私も一度だけ、複数人で訪れた際に座ったことがあるのだが店の奥にはボックス席を有したソファー席を完備しているのも特筆すべき所だ。他のお客を避け、大切な人とゆっくり過ごすには持ってこいなのである。

バックバーに目を向けると、ウイスキーをはじめ、スピリッツリキュール等、大概のカクテルを作るに困ることはないであろう酒瓶が並ぶ。
私がこのバーを来店2回目くらいで掲載しようと決めたのがこの酒瓶の数も一因にはある。
バー初心者でも畏まることないショットバー然とした空間造り。バーテンダーの技術レベル。そして、スピリッツやリキュールの数。
この3つが揃っていれば、バー初心者が例えばカクテルを色々と飲みたいと考えた時、大概のオーダーは受け付けられるだけの素地が揃っていると考えたからである。
ショットバーのイメージってやはり作れる物に制約がある場合が多い。それは主にスピリッツやリキュールの保有数に起因する場合が多く、諦めなければいけない場合が多々ある。
また、バーテンダーの物腰の柔らかさもバー初心者には大事なファクターになるであろう。

メニュー表の類はないが、ザックリと書かれた価格表の値段もそこまで高い訳でもなく気軽な価格設定。
フードの類は用意がないが、前述の「ラウンジバー くじら」から出前という形でオーダーする事が可能だという。流石は元居た店なので融通か利く。
チャームは乾き物やフルーツ、生ハムやサラミ等、日によってまちまち。入店時の会話で「今、飯食ってきたばっかでさぁ」なんて話すとちゃんと軽めの物が出てきたりと柔軟に対応している姿を何度か見ている。

新型コロナウイルスの関係で居酒屋で複数人で会食をすることを良しとしない状況が叫ばれて久しいが、バーは一人飲みでも違和感のない少し特殊な飲食店である。
感染リスクの観点からもお店がそこまで混んでいない昨今にあってはバーに興味のある方がバーデビューを果たすには実は持ってこいの環境が整いつつあると個人的には思っている。
先ずは気軽にショットバーからはじめてみるのがおススメであるが、そんな方に是非寄って頂きたいバーなのである。

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