HATERUMA WINE&DINING ( ハテルマ ワイン&ダイニング )

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住  所静岡県三島市中央町3-47
電話番号055-939-6071
営業時間12:00〜15:00(火〜土)
18:00〜23:00(火〜土)
定休日月曜・日曜
席数カウンター8 テーブル18
駐車場なし
緯度経度
(日本測地系)
N  35゚06'59.3''
E138゚55'13.7''
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最寄駅三島田町駅(伊豆箱根鉄道駿豆線)
三島駅(JR東海道本線)
三島駅(JR東海道新幹線)
取材日2017/08/30その他の情報...
これまで数多くのバーテンダーと出会い、お付き合いが始まる中で、それぞれがそれぞれの道を歩む姿を見てきた。
既に独立してお店を持つ者。修行期間を重ね、独立・開業する者。ズブの素人から始まり、今ではオーナーバーテンダーになった者。
また、志を持ってこの業界に入るも、その道を諦め、業界を去っていく者。
私がバー関わった中だけでもに本当に色々な人の人生模様を見てきた。


そんな中でも私がバーに関してあまり経験したことがないのが移店である。
店を開業するだけでもかなり大変な労力を使うと思うが、それをもう一度やってしまうのって、人生に例えるなら家を2回建てるくらいの大事業であろう。
僭越ならが私も家を建てた経験があるが、建てた後で「こうすれば良かった」と思う時が結構ある。
これを店に置き換えるなら、前店で得た経験が生かされ、更に自分のスタイルを確立できる店舗作りが出来るんだろうなぁと思う。


前置きが長くなったがバー紀行にも既に掲載されている「Cafe & Bar hateruma」が移店するという話を聞いたのは初夏のこと。このバーを仕切る若きバーテンダーはとあるバーでお会いする機会があり、掲載に至った。かれこれ6年前の話になる。
伺った店は「Cafe & Bar」と冠が付いている通り、お食事をメインにお酒を提供するスタイルだ。
彼と知り合いになった以降も都内などの同業他店に出向き、色々な物を吸収する姿をFaceBook等で見てきた。また、ソムリエの資格を取るなど、現状に満足しない、進み続ける姿を見てきている。


さて、新店となる店は三島の繁華街の中心に店を構えた。
私が旧店の取材記の中で「hateruma」という店名にちなみ、「三島市の最南端に位置するバー」と文章を締め括った訳だが、それも叶わなくなった。
そもそも、この「波照間」と言う店は前オーナーから引き継いだ形を取っているだけに今回は一から作る自分の店となり無論、屋号も変えるんだろうなぁと考えていたが、表記こそ旧店の「hateruma」から「HATERUMA」に変わったが、屋号自体を変える事はなかった。
その点についてオーナーバーテンダーに聞いてみると、「愛着もあるし、私を育ててくれた店だから」という。
彼には俗に言う師弟関係を結ぶ人が居ないのだが、引き継いだ店のオーナーだったり、彼自身が大好きなバーのバーテンダー達に教えを請い、成長してきた経緯を語る。そう言う人達に対する敬意も含め、敢えて店名を変えないのだという。
「熱い男」というイメージを個人的には持っているが、非常に義理堅い部分も彼が色々な人から愛される所以であろう。


店先に立つとテラス席があり、中央に入口を配した間口の広い店舗はガラス面も多くて開放的。
奥にも広い店内は大きなカウンター席とゆったりと座れるソファータイプのテーブル席が配置され、贅沢な空間使用が成されている。
一空間でこれだけ大きな客席を持ったダイニングバーは市内ではあまり見かけない。
新店なのにちょっと使い古した感じの、既に数十年もそこに存在したのではないかと思わせる空間は落ち着いた雰囲気を醸し出す。色々な物を見てきたからこそ想像出来る空間演出である。


席に座り、バックバーを眺めるとワインのボトルも多く、流石に「WINE&DINING」と銘打っただけに、ワインを中心にお食事をするスタイル。
私などはワインはあまり造詣が深くないので楽しめないか?と言えばそんな事はなく、ウイスキーやカクテルなどの用意もある。
「確かにソムリエの資格も取って、ワインにも力を入れていますが、色んなお酒と食事を楽しめる店にしたい」とはオーナーバーテンダーの弁。
それが証拠にバーではあまり見かけない焼酎なども置いてあり、ビール、焼酎、ウイスキー、ワイン、カクテルと何でも揃う。


勿論、フードも結構充実していてサラダや前菜、メインとなる肉料理、お腹を満たすリゾット。果てはデザートまで、あらゆる客層を満足させるラインナップ。
旧店ではオーナーバーテンダー自ら調理を担当していたが、新店では新たに厨房担当のスタッフが常駐している関係で、オーナーバーテンダーは本来のバーテンダーとしての役割に徹することが出来る。


今回は掲載用として何品かの食事を頂いたが、その中でも特に好みの味だった「トリッパと白いんげん豆のトマト煮込み」をご紹介。
トリッパ(牛の胃袋、特にハチノス)と白いんげん豆をトマトベースの出汁で煮込んだ煮込み料理でイタリア版モツ煮のようなもの。
私は大概、お一人様なので料理を食べる時はそのサイズが気になる所だが、一人で食べきることの出来るサイズで都合の良いメニュー。
ビールによし、ハイボールによし。勿論、赤ワインにもピタリとくる酒のアテである。


美味しいワインと料理を大勢で囲んで過すひととき。勿論、私のようにワインがあまり得意ではない人でも十分に楽しめるお酒の種類。
お世辞にもナカナカ行き辛い立地だった三島の最果ての地からど真ん中に移転した事で個人的にはかなり行き易くなった事を喜びたい。

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