Bar King Kong ( バー キングコング )

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住  所静岡県沼津市新宿町2-15
電話番号055-926-5353
営業時間19:00〜0:00(月〜土)
定休日月曜・日曜
席数カウンター7 テーブル12
駐車場なし
緯度経度
(日本測地系)
N  35゚06'09.3''
E138゚51'46.8''
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最寄駅沼津駅(JR東海道本線)
沼津駅(JR御殿場線)
取材日2016/04/28その他の情報...
一般的な話だが、所謂オーセンティックバーに老舗が多いのは、世に出始めた頃のバーにオーセンティック・スタイルが多かったからであろう。
しかし、今では気軽なショット・バーの方が一般的で、世にあるバーの中でも多勢になっていると思う。
ただ、三島、沼津においてショット・バーで20年以上続いているバーは意外と少なく、私が知っているバーでも、それほど多くない。10年以上、20年未満のショット・バーが多いのが現状である。

今回、掲載する運びとなったBar King Kongは既に20年以上営業をしているショット・バー。
既にバー紀行にも掲載済みではあるが、移転をされるという話から再掲載することになった。

移転の話を聞いたのは去年の話。
昔の店舗は裏路地の奥にあるバーでアングラなイメージの隠れ家的なバー。(紹介文はココからどうぞ)
長い歴史があるので知っている人は知っているが、知らない人は多分、全く知らないような店であろう。
当時、話を聞いていたのだが、これから先、長く営業していく中、少し表通りに出て知らない人にも店の存在を知ってもらえるような場所に移転したいと考えていた時、現在の店舗物件の話があって移転を決めたのだそうだ。

旧店舗の最終営業日には多くの常連客が店に溢れ、旧店舗を懐かしむ人や「この雰囲気が良かったのに」と残念がる人も居たりと皆、様々な思いがあったようだ。
しかし、個人的に思うのは店はハードウェアも大事だが最終的にはソフトウェア的な部分が重要だと思っている。
それはバーテンダーの人柄だったり、集うお客だったりと「人」に関する部分が居心地の良さを大きく左右すると考えている。
また、先の営業を考えれば、お客の幅と言うか分母を大きくしていかないと店が立ち行かない。
確かに「あの独特の雰囲気」がなくなるのが残念なのも判らないではないが、多くの人の目に付く場所で新たなお客を獲得するための建設的な移転と捉えると正しい決断だったと個人的にも思っている。

新店舗は旧店舗に比べると席数は約1.5倍に増え、怪しさと言うよりは少し入り易さを重視した店構えだ。
バーにありがちな店内が見えない作りではなく、店先はガラスエリアを多く取り、旧店舗を知らない人たちにも気軽に寄ってもらえるようになっている。

店内はカウンター席とテーブル席もあり、一人客でも、仲間内でワイワイ飲むことにも対応出来るだけのキャパが今回はある。
新たな店内ではあるが、旧店舗に飾ってあった絵やお酒に関するノベルティの数々は旧店舗のそれと変わらず、旧店舗を知っている方なら、ちょっとした間違い探しみたいで楽しめそうだ。
カウンター席は大理石のような硬質な石材を使用しており、これまでの旧店舗とその雰囲気が一番違う点ではないだろうか。

カウンターに腰を下ろすと、中央に飾り棚を有した赤を基調にしたシンメトリーな大型のバックバーが目を惹く。
旧店舗に比べて圧倒的に酒瓶の本数が増えており、特にモルト・ウイスキーの品揃えが増えた印象を受けた。
しかし、これまで通り、ビール、焼酎、バーボンなども置いてあり、オーダー出来る内容に厚みが出てきているのは個人的にはありがたい。

チャームに関してはこれまでと変わらず、スナック菓子を中心とした乾き物が出てくる。
従来通りのショット・バーとしての在り様はそのままに、これまでのアングラなイメージは穏やかに残しながらも気軽に入れる、良い意味でのアンバランス感が既存客は元より、新規客にも受け入れられる素地が出来たようにも感じられる。

来年の3月で25周年を迎える同店であるが、これから30年、40年と長く続いて欲しいバーの一軒である。

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