あまりにも劇的なメタモルフォーゼ!
めんや かい
【閉店】麺屋 海

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SHOP DATA
住  所
電話番号
営業時間11:30〜14:30(月〜日)
18:00〜2:00(月〜日)
定休日不定期
席数カウンター7
駐車場なし
緯度経度
(日本測地系)
N  35゚05'31.5''
E139゚04'32.6''
地図を見る
最寄駅来宮駅(JR伊東線)
熱海駅(JR東海道本線)
取材日2021/07/22その他の情報...

メニュー

ゆで豚増し塩らーめん
1100円
伊豆の塩らーめん
800円
半熟玉子のせ塩らーめん
900円
海苔盛り塩らーめん
900円
more...

色々ありましたが東京オリンピックが始まりましたね。
とは言ったものの、この記事を書いてる時は前日なんですけどね。
静岡県内の新型コロナ感染者数も東部を中心に若干増加傾向になっており、懸念される部分があります。
人流が増えることは必須なのでなんとか無事終わって欲しいものですね。
管理人です。

文頭から話は逸れるが先日のこと。
昼休みにネットニュースを見ていると「熱海経済新聞」の記事が出てきた。内容を見てみると、熱海市内に新しいラーメン屋ができるという内容だった。(詳しくはコチラから)
そのラーメン屋の経営母体となっている会社はコンサル会社らしいのだが、熱海の観光・地域活性化を目的にしたプロジェクトの第一弾としてラーメン屋を開業したようだ。
その記事を見つけたのは月曜日なのだがオープンは先週の土曜日で超フレッシュな情報であった。

話を戻して今日は木曜日。
前述した通り、東京オリンピックを記念して海の日と体育の日が合体して連休になっている4連休の初日だ。今年のカレンダーはそういった情報が全然間に合わなくて混乱してる方も多いだろう。
折角の連休ではあるが旅行に行ける訳でもない。ただ、先日発生した熱海の土石流被害の煽りを受けて、ホテルなどの旅客業界はキャンセルが相次いだという。
こういう時だからこそ、少しでも熱海に金を落としてやらなければいけないと考えた私は早速、そのラーメン店の取材を決めたのだった。(っていうか、新店のラーメン屋に行きたいだけでしょ)
早速、自宅を出発した。

1時間後。
Googleマップは熱函道路を抜けて熱海に行くお決まりのルートを示している。店の営業時間は11時からだと記憶していた私は11時過ぎに現地に到着。近くのコインパーキングに入庫後。店までは徒歩で向かった。
今日の天気はよく晴れており気温も軽く30度を超えている。暑いことこの上ない。
こんな炎天下の中。救助作業を行っている自衛隊や各地の消防関係の方たちは苦労しているであろう。街中は災害があった場所という感じはないが、たまに通る政府関係の車や県外の地名が書かれた消防車などを見ると、災害現場であることが嫌でも判った。

5分ほどして現地に到着。
時計を見ると11時15分を指している。暖簾がかかっていないので営業してる風はないが、ネットニュースで見た店主と思しき男性が開店準備をしているのが判った。期せずしてポールポジションをゲットしてしまったようだ。
ただ、店先に立っていると暑いのでアーケードの日除けがある隣の店の店先で持たせてもらうことにした。
セカンド・グリッドには三島から電車で来たという若者。待っている間、少しだけお話を。
帰りの駅までの上り坂が地獄じゃね?と思ったが若いと出来ちゃうんですよね。オジサンは熱中症で倒れちゃうからダメですが…

15分後。
定刻通りに店がオープンした。後客は3名。店内はカウンターのみの小さな店で店主の知り合いなのか、既に先客が2名座っている。どちらにしてもソーシャルディスタンスは保てない空間なので適当な席に陣取った。満席である。
席に備え付けのメニューを見てみる。この店、基本的には貝出汁を使った塩ラーメンしかなく、後はトッピングでバラエティを作っている。
店主がラーメンの説明をしてくれたのだが、この店のラーメンの一番の特徴であるのが無料でオーダーできる「えびの泡」というもの。必要な場合に声をかければこの泡をかけてくれるらしい。私などは泡といえば「スパークリングワイン」「ソ〇プラ〇ド」ぐらいしか縁がないので楽しみだ。オーダーは口頭。折角、金を落としに来たのでゆで豚増し塩らーめんをオーダーした。ちなみに半熟卵はデフォルトで乗っているというので割愛した。

店内は前述通り、カウンター席のみの小さな店だ。コンクリートの打ちっ放しの壁や席にはそれぞれランチョンマットと箸とおしぼりがセットされており、ちょっとおしゃれな雰囲気でカフェっぽい。まぁ、カフェに行ったことがないオジサンがイメージするカフェなので全然違うかもしれないけど。
店主一人かと思いきや、途中からもう一人男性店員がやってきた。この狭い店の中で2人体制というのもナカナカ大変だ。

厨房観察。
寸胴の数はステンレス製の小型のものが2器。オーダー毎に雪平鍋にスイッチして加温する小鍋系。麺茹では深ざるを使用したもの。茹で加減はキッチンタイマー管理。製麺所は不明。

そしてラーメンがやってきた。丼の半分を占める海苔に圧倒される。具材に支配されていない部分からスープをすすってみた。
一口目から貝出汁のエグ味にも似た出汁感がやってくる。塩味自体は穏やかで必要最小限といった感じだ。海苔を少しスープに沈めて一緒に飲んでみると、僅かな塩味が呼び水となって海苔の風味を引き立てる。ナカナカ考えられた塩分濃度だ。
麺は中太の縮れ麺。かん水の量は多め。加水率は高めの印象を受けた。麺肌は滑らかで強烈な縮れがついていることから佐野ラーメンの麺に非常に酷似している。勿論、手打ちかどうかは判らないけど。
具は茹で豚、半身の茹で卵、のり、メンマ。茹で豚はバラ肉を使用しており、積極的な味付けは施されていない。説明によれば三元豚を使用しているとのこと。海苔は下田から取り寄せたもので多分岩のりだろう。半身の卵はハードボイルドの一歩手前の茹で加減。茹で卵なので味付けはない。

このまま食べ続けていると食べ終わってしまいそうなので一度箸を置いて「えびの泡をお願いします」とコール。
後から来た男性店員がステンレス製の計量カップに入った液体をハンドブレンダーで撹拌しながら持っきて直接丼に入れるスタイル。
どの程度の量を入れてくれるのかと思えば、丼を覆い隠すほどの結構な量を投入してくれる。
最初はえびの泡だけを舐めてみると、海老の風味がとても強いクリーム状の液体だ。最近ラーメン業界で流行っている「泡系ラーメン」に一瞬で変わる、あまりにも劇的なメタモルフォーゼ。
貝出汁、海苔、海老と海の風味のトリニティを僅かな塩味とクリームがまとめている感じだ。味変という意味でも効果が大きく、このえびの泡をもってこの店のラーメンが完成すると店の掲示にも書かれていたので、えびの泡は絶対に入れた方が良いだろう。

先日も貝出汁のラーメンを食べたばかりだが、今回のこのラーメンは貝出汁一本ではなく、具材とのマッチングや後乗せのえびの泡などとのマッチングなども考慮した味付けのバランスが良く、色々と変化する様が食べ手である私達を次々と楽しませてくれる。
このラーメンがこの街の復興の一助になれば良いなぁと思いながら店を後にした。

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