今日は金曜日。
勤務先での仕事を終えた私は静岡駅から電車に乗り、沼津駅に降り立った。
夕飯は要らない旨を母親に伝えていた私はどこかで夕飯を済まさなければならない。
その後、沼津市内のバーにもちょっと寄りたいと考えていた。
どこで飯を食べるか？そもそも、取材を含めた夕飯とするのか、考えていた。勿論、大したアテがある訳ではない。
歩きながら考えているとある店の事が思い出された。

その店を「香香坊」といった。名前からして「香香飯店」の関係店であるのが判る。
店は仲見世通りにあるので前々から存在は知っていたし、ラーメンがあるのも確認済だし、確か焼き鳥っぽい物もあったと記憶していた。まぁ、飲みながら取材で良いか。早速、現地に向かった。

店先に到着。外観を撮影して早速、入店する。
店内に入ると女店員が迎えてくれた。日本語がたどたどしいので中国の方であろう。というか、香香系列の店で日本人を見たことはない。金曜日の夕飯時に先客は４割程度。大して混んでいない。
店内は厨房をコの字に囲うカウンター席とテーブル席の構成。少し離れた空いているカウンター席に陣取った。

席に備え付けのメニューを見てみる。取り合えず、ラーメンがある事を確認する。よしっ！じゃあ、先ずは軽く一杯いきますか！
中華料理がメインだが、前述したように串焼き、揚げ物などもある。また、複数人であれば鍋物なども選べる。こちらは2〜3人前からのオーダーなので一人飲みの私にはハードルが高いが…。オーダーは口頭。ハイボール、餃子、肉もやし、うずら串をオーダーした。

先ずはハイボールがやってきた。

『お疲れチャン！俺』

今週も忙しかったというか、集中して仕事をした(気分になっているだけである)ので疲れた(年のせいもある)。
何だか薄いハイボールだ。グビグビ飲めちゃう。
そして、肉もやしがやってきた。温かいかと思ったら冷製なのね。ちょっとビックリした。
次にうずら串。うずらの卵ばかりかと思っていたが半分は肉っぽい物が刺さっている。
そして餃子。餃子は1皿10個なのでお一人様にはハードル高し。まぁ、あまり大きな餃子ではないので余裕だが…。
ちょっと頼みすぎたかしら…。でも、実は前々から食べてみたいメニューがあった。それが羊肉の串焼き。
串焼きは何を頼んでも1本90円という安さだが2本単位でのオーダーが義務付けられている。折角なので羊肉串、豚バラ串、ハイボールのお代わりもついでにオーダーした。

数分後。
やってきた羊肉串はクミンで味付けされているらしく、羊特有の臭みもない。豚バラも頼めばクミン味になるが何も言わないと塩味になるのかな？まぁ、全部クミン味も飽きるので丁度いい。
やっぱ、2杯目のハイボールは先ほどのよりも少し濃い。画像で確認しても右の2杯目の方が濃いように見えるが気のせいだろうか。

そろそろ取材モードに入ろう。かなり腹パンである。改めてメニューを見てみるとベーシックな醤油ラーメンの他は塩味で鶏そばと海老ワンタン麺。醤油ラーメンでは面白くないのでパス。鶏そばと海老ワンタン麺は値段は同じなので後は好みの問題だろうか。正直、ゴロゴロと入った海老ワンタンを美味しく食べれる自信は今の腹の状況では不可能。オーダーは口頭。鶏そばをオーダーした。

厨房観察。
私の座ったカウンター席は角に当たる部分で目の前には中華なべにお湯が張られている。麺茹では平ざるを使用したもの。寸胴の数は1器のみで小さなものだ。多分、一品料理にも使用するものだろう。丼に塩ダレや各種油を添加してスープを張り、麺を投入。具材を飾って完成である。

そして、ラーメンがやってきた。先ずはスープからすすってみた。
ベースのスープは鶏ガラを軸にした清湯スープ。出汁がシッカリとしており、塩ダレもキッチリと効かせてある。表層のオイルも手伝ってかサッパリとした印象はなく意外な食べ応えがある。〆のラーメンと侮るとしっぺ返しを食らうくらい、ちゃんとした一杯のラーメンである。
麺は細ストレート麺。かん水の量、加水率共に標準的な印象を持った。茹で加減がキッチンタイマー管理なのは少し驚いた。コシは期待しないがしなやかなすすり心地はストレート麺の成せる業か。
具は鶏チャーシュー、かいわれ大根、ネギ。チャーシューは鶏もも肉を蒸したもの。具材に関しては意外とシンプルだがそれが選んだ理由でもある。言わずもがな味玉はメニューにない。

ハイボール2杯、肉もやし、餃子10個、うずら串2本、羊肉串2本、豚バラ2本、ラーメン1杯、8品で3500円弱。
お一人様の夕食としてはまぁまぁの値段ではあるが、複数人でシェアして食べれるメニューも多いし、焼き物、揚げ物、鍋物など色々なメニューが楽しめる内容は飲み会にも使える店である。