あの味を求めて…
ちゃいなきっちん こうしゅう
チャイナキッチン 杭州

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SHOP DATA
住  所静岡県三島市大宮町1-11-1
電話番号055-956-7342
営業時間11:00〜15:00(月〜日)
17:00〜21:00(月〜日)
定休日不定期
席数カウンター6 テーブル10
駐車場なし
緯度経度
(日本測地系)
N  35゚07'03.6''
E138゚55'15.9''
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最寄駅三島田町駅(伊豆箱根鉄道駿豆線)
取材日2018/08/23その他の情報...

メニュー

汁なし担々麺
900円
坦々麺(タンタンメン)
800円
海老麺(海老そば)
800円
扣肉麺(豚の角煮そば)
900円
more...

今回、西日本を縦断した台風20号では多くの家屋が被災や浸水をしたり、怪我をされた方もいらっしゃったようです。
お見舞いを申し上げます。管理人です。

話を戻して今日は木曜日。
明日は遅い夏休みを取る予定で感覚的に金曜日のような気分で勤務先を後にした。
前述通り、台風20号が今夜夜半過ぎに日本を縦断する形で接近している中、静岡市内で取材をしようと考えていたが東海道線、そして東海道新幹線も横に長いだけにどのようにダイヤが乱れるか想像ができない。
仕方なく早々に地元に戻るために新幹線に飛び乗った。

地元に着くと時間は未だ19時前。台風の影響か若干雨も降っている。
「明日、平日休みなんだから、そこで取材すればいいんじゃね?」と読者の声が聞こえそうだが、明日は車の点検が行われるため、車でお出かけが出来ない。
休日前の夜。帰り際に一杯やりながら取材が出来ないかと考えていたが台風のおかげですっかり予定が狂っているのである。
しかし、一軒だけアテがあった。三島駅からは若干離れているが背に腹は代えられない。早速、取材を開始した。

その店を「チャイナキッチン 杭州」といった。場所は三島大社の西側に位置し、古くは「支那そば 毎度!」「坦々麺 ごまや」があった場所だ。
白滝公園から続く川沿いをとぼとぼと歩いていく。この雨模様。しかも、台風接近中の最中だけに人通りは少ない。

10分後。
現地に到着した。店の外観を撮影して早速、店内へ。
店内に入ると先客が1名。スマホをいじりながら中華料理をアテに一杯やっている。店主と思しき男性は厨房の奥で座って何やら読んでいるのか顔を上げない。
「すみません!」
声を掛けると私の存在に気が付いたようだ。
店内は厨房に面したカウンター席とテーブル席の構成。入口に近いカウンター席の末席に陣取った。
席に備え付けのメニューを見てみる。先ずは軽く料理をアテに一杯だ。焼餃子、水餃子、春巻、焼売(シュウマイ)など、安価で酒のアテになりそうなメニューがある。もちろん、一品料理もあるがこちらは定食にするか、複数人でシェアするような値段設定である。
私が今回、この店を選んだ理由は実は他にある。その何たるかは後述するが、先ずはその目的のメニューに向けた前段階が必要だ。紅油水餃子(辛ごまダレかけ水餃子)、ハイボールをオーダーした。
先ずはハイボールがやってきた。
『お疲れチャン、俺!』
若い頃って生ビールが水のように飲めたが、最近はビールがどうも腹に溜まる感じがしてならない。しかし最近はハイボールが水のように飲めてしまう。これって年のせいだろうか。

後客として2名の母娘連れが来店してきた。
二人とも、坦々麺をオーダーしていた。メニューを見直すと麺類のトップを飾るのが坦々麺。この店のおススメなのであろう。

5分程、待ったであろうか。前述の母娘連れの坦々麺と同時に水餃子がやってきた。
辛ごまダレがかかっているがどの程度の辛さなのだろうか。それは今後のオーダーの試金石にもなる。
おぉ、適度な辛さで良い。もちろん、辛くない訳ではないがギリギリ耐えられる辛さだ。本格的な中華料理屋の辛さって手加減がないのでいつも心配するのだが杞憂だったようだ。
水餃子の餡は肉が多めで肉団子感が強いもの。皮は艶やかで瑞々しくもちっとした食感が良い。
母娘連れの二人を見ると辛さで顔を曇らせることもなく坦々麺を食べている。これで次のオーダーはほぼ決まったな。

そろそろ取材モードに入るためにメニューを改めて見直してみる。
まぁ、ほぼ担々麺で決まりだな、と思いながら背にある壁に貼られたメニューが目に入った。
『汁なしかぁ…』
そこには汁なし担々麺と冷し担々付け麺と書かれたメニューが貼ってあった。雨が降っているとは言えまだまだ暑い。
つけ麺もかなり心惹かれたが汁なしも気になった。
『そういえば昔、孤独のグルメでも汁なし担々麺を食べてたっけな』
そんなことを思い出していた。その汁なし担々麺はスゴい辛いらしい。そして、このメニュー名の脇にも「激辛」の文字が見えた。大丈夫だろうか。オーダーは口頭。汁なし担々麺をオーダーした。
厨房観察。
スープは大きなボウルに入っており、オーダー毎に中華なべで加温する。今回は汁なしなのでその量は僅かだが。更にラー油、芝麻醤などを使用してタレを作っているようだ。麺茹では私の座っている位置からは窺い知ることができない。
そして、汁なし担々麺がやってきた。先ずは全体をよく混ぜてから食してみた。
麺は細ストレート麺。かん水の量はやや少なめ。加水率は標準的な印象を持った。汁なしって太い麺を使用するイメージがあるのだが、ここのは細い。多分、通常の担々麺と同じ麺を使用しているのであろう。コシはあまりないが茹で加減は悪くない。そもそもの素性がコシのある麺ではない。
具は豚ひき肉、胡瓜の千切り、白髪ねぎ、水菜、ナッツ。麻婆豆腐の豆腐なしといった感じだが、とろみというか粘度はそれほどでもない。
汁なしとは言え、タレの量はそれなりにあって、全てを食べ終わった段階で結構なタレが残る。このタレをそのままにできるであろうか。いや、できるはずもない。追加で半ライスとレンゲをお願いする。
レンゲでタレをすくい、ご飯にかけながらそのままパクリといく。糖質と油の組み合わせ。マズい訳がない。
口の中もかなり熱々になって、くちびるは適度に熱を持っている。予定外の半ライスも食べたし、ハイボールもおかわりしている、かなり腹が一杯だ。
しかし、この店を選んだ本来の理由がここにある。オーダーは口頭。オーギョーチーゼリーをオーダーした。

皆さんは愛玉子オーギョーチ()を知っているであろうか。
私は何年か前の東京ラーメンツアーにおいて、この愛玉子というスイーツを食べた事がある。そのスイーツがこの店にはあるのを事前に発見していたのだった。
出てきた愛玉子は寒天のようなものにかき氷のレモンシロップのような味のタレに浸かった食べ物。発祥は台湾だと聞いている。この甘みが熱々になった口の中を甘さで相殺してくれる。しかし、量も結構入っているので腹パンにさらなる拍車がかかったのは言うまでもない。

全体的に味がよく、一人飲みに最適なアテもあるのでナカナカ使える一軒である。ただ、私の自宅や行きつけの酒場からは若干遠いので態々感は否めないのだが…。

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