似て非なるもの
らーめん けいいちや
RAMEN 圭一屋

photo

SHOP DATA
住  所神奈川県小田原市西酒匂2-9-2
電話番号050-5593-3823
営業時間11:00〜23:00(月〜火・木〜日)
定休日水曜
席数カウンター7 テーブル12
駐車場あり
緯度経度
(日本測地系)
N  35゚15'51.1''
E139゚11'11.6''
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最寄駅鴨宮駅(JR東海道本線)
取材日2017/08/19その他の情報...

メニュー

ヤバイラーメン(小)+味付玉子
750円
ヤバイラーメン(並)
800円
ヤバイラーメン(小)
650円
ヤバイラーメン(中)
900円
more...

先日の取材記で今年は「スーパー猛暑」などと書いた覚えがありますが、蓋を開ければ「スーパー冷夏」ではないかと思うほど、気温が上がりませんね。まぁ、過し易くて良いのですが。
そう言えば少し思い出したことがあるのですが我が家は新築にしてからソーラー発電で売電しているのですが、今月は絶望的な金額を叩き出すかもしれません…。管理人です。

話を戻して今日は土曜日。
午前中は会社の会議が予定されている。
この会議、平社員以外の役職の付いた人が参加する会議であるが、役職は管理職と技術職に分かれている。
私は技術職の役職を持っているのだが、その会議の参加メンバーを変えるという話が会議中にあり、来月からは管理職だけで会議を行うという。
古くは2002年の取材記に「会社の会議」というフレーズが初めて登場しており、15年前からこの会議に参加している様子が伺えるのだが、「もう出なくて良い」と言われるとそれはそれで寂しいものだ。
まぁ、休日に開催される会議なのでそもそもが自由参加ではあるが、会社の様々な情報が得られる場なので出来るだけ参加はしていたが、参加する資格すら失った形である。

会議が終了すると既に時計は12時を回っている。沼津ICが目の前なので久しぶりに東名高速に乗線した。
火災で新築になってからこっち、高速に乗って取材することも少なくなったが、先日の小田原の取材を期に私の中に懐かしさも出ているようだ。
今でもRSSリーダーで神奈川の新店のチェックはしているのだがそもそも行かないのでエントリー店が溜まる一方だ。その中に少し気になる店があった。
それは沼津の松福で修行された方が小田原市内で開いた店があるという情報。既に3年以上前の話ではあるが食べログでも3.5点以上を叩き出している店だ。
まぁ、三島市民の私としては出会った事のある味に行き着くのは判っているが、本格的に炊いたとんこつスープにお目にかかる事が少ない昨今。ラー紀としては新規店でもあるし、その味を確かめたいと考えていた。

1時間後。
店の近所に到着した。その店を「圭一屋」という。
店先に駐車スペースがあるのだが既に満車状態。仕方なく隣の7−11(セブンイレブン)に入庫後。店へと向かい駐車場について聞いてみる。すると店裏に何台か駐車場があると言うので早速入庫しなおし、店へと向った。
昼時を少し過ぎた店内はほぼ満席で人気の程が伺えた。入って直ぐ左手に券売機が見えた。店のオススメである左上のボタンには「ヤバイラーメン」というメニューが鎮座している。ラヲタ諸氏には判るであろうが松福で言うところの「うまいラーメン」であるのが判る。
『おっ、ミニサイズがあるじゃん』
オーダーは食券制。ヤバイラーメン(小)、味付玉子、ライス(小)をオーダーした。すると「お好みはどうされますか?」と問う。全て普通とした。また、「こちらは小さいサイズですが大丈夫ですか?」と念押しされた。ちなみに小は麺量80g、並が160g、中が240g、大が320gだという。
店員によってカウンターの隅に通された。このカウンター、衝立が高くて厨房観察は若干難しい。
店内は男性ばかり4名で切り盛りする。調理担当のこの方が店主かしら?まぁラーメン店とは付き合いがない私には判らないが…。
厨房観察。
寸胴の数は不明。麺茹では深ざるを使用したものだ。店主と思しき男性は中華なべを振るい、チャーハンを作っている。松福でもチャーハンをオーダーしている人って多かったと思うがある意味、松福のもうひとつの看板メニューのように思える。本来、本場博多のとんこつラーメンをウリにしていた同店ではあるが、伊東の吉田家を模したであろう「うまいラーメン」をラー紀が取材したのが2001年。16年前の話である。それが今では店の看板メニューに成長したのだからチャーハンも含めて皮肉な話である。
そして、ラーメンがやってきた。先ずはスープからすすってみた。
いやぁ、美味いねぇ。ベースのスープはげん骨、豚頭を軸にした印象。適度な粘度と獣臭は本格的なとんこつスープを飲んでいるという事を実感させる。醤油ダレの塩梅もこの濃度には合っていると思う。
麺は中太のストレート麺。かん水の量は多め。加水率は高めの印象を持った。モチモチとした多加水な印象とシコシコした歯応えが同居する不思議な食感を持った麺である。ちなみに店の隣が製麺室になっているらしく、自家製麺である事が判る。
具はチャーシュー、生キャベツ、ほうれん草、のり、ネギ。そして別注の味付玉子。チャーシューは豚バラ国使用の煮豚。超柔らか仕上げ。味付けはシッカリ。味玉は黄身がキャラメル状になったものでこちらも味付けはシッカリしている。具材については全体的に塩分高めだ。生キャベツは家系の中でも異彩を放つ吉田家のオリジナルであり、当時の私が「吉田家とまるっきり同じラーメン」と称したのはこのトッピングの存在が大きい。
今回は麺量を半分にしても海苔巻きご飯が食べたかったのだが、海苔をオーダーしていないことに気付き追加オーダー。海苔自体はスープを良く吸うタイプで長時間浸していると海苔巻きご飯が出来ない。昔懐かしい食べ方である。
当時の私はラーメン食べ歩きも駆け出しで家系ラーメンとうまいラーメンの決定的な違いが判らないでいたが、今では違うラーメンという印象が強い。
その一番の違いが鶏油の存在であり、それは海苔巻きご飯をすると顕著に判る。
鶏油の風味と醤油ダレの塩梅を推進力にして食べ進む家系に対し、醤油ダレの塩梅を呼び水にして豚骨本来の髄の美味さで食べ進むとんこつ醤油というジャンル。似ているようで全く違う味わいなのが10年以上食べ続けた今だからこそ判る。
そして、「違う物なのだ」という意識を持って食べると、それぞれを別物として楽しむことが出来るのである。

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