リバース寸前!
おろちょんらーめんりしり いせはらてん
オロチョンラーメン利しり 伊勢原店

photo

SHOP DATA
住  所神奈川県伊勢原市串橋68-5
電話番号0463-93-2256
営業時間18:00〜1:30(火〜日)
定休日月曜
席数カウンター6 座敷20
駐車場あり
緯度経度
(日本測地系)
N  35゚23'26.5''
E139゚17'26.7''
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最寄駅
取材日2011/02/19その他の情報...

メニュー

みそラーメン
830円
正油ラーメン
780円
塩ラーメン
780円
 
大盛り
150円
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昼に取材予定であった伊勢原市内のオロチョンラーメンを扱う店が夜の営業だけだと知った私は昼の取材を平塚市内で終え、夜を待った。
先の取材記でも書いたが先日、沼津市内に出来た新店でオロチョンラーメンを扱っている。私自身、この「オロチョンラーメン」と言うキーワードに関連するある店が数年前から気になって気になって仕方なかった。その店が今回取材する「利しり」と言う店だ。何が私の心を掴んで離さないのかと言えばもちろん、看板に書かれた「オロチョンラーメン」と言う何だか聞いたこともないラーメンの名前にも惹かれているが、実はもっと気になっているキーワードがその上にあった。
日本一まずい!!
最初にこの看板を見た時、「えーーっ!?」と思わず一人叫んでしまった。「日本一美味い!」とか「三島で2番目に美味い」とかなら見たことがあるが、「日本一まずい!!」のである。早速、取材を開始した。
夜6時。
開店時間に合わせるように現地に向かった私はジャストタイミングで店先に到着。店がやっていて先ずは一安心だ。私が入庫をして直ぐ、一台の車がやってきて先に店内へ入って行った。チッ、一番客を逃してしまった、まぁ、競っても仕方ないので早速店内へ。
自分の所のラーメンを「日本一まずい!!」と書いてしまう店主はどんな偏屈オヤジなんだろう?と想像してしたが店主と思しき男性は年の頃は私と同じ位。そして、使用人と思しき若者と女店員の3名でお店を切り盛りしているようだ。女店員によってカウンター席に通された。
頭上を見るとズラリと並ぶメニューの数々。そして私の座ったちょうど真上にはオロチョンの種類が書かれていた。辛味が一切入らない利しりラーメンを筆頭にトリプルと呼ばれるものまでの10段階に辛さが分かれているようだ。オーダーは口頭。下から2番目のオサエオロチョンをオーダーした。すると‥
「味の方はいかがされますか?」と問われた。よくよく見てみると醤油、塩、味噌の3種類から選択出来るとのこと。つまり、オロチョンと言うのは辛さのランクの事でメニュー名ではないのか?段々訳が判らなくなってきた。取りあえず味噌にしてみることにした。しかし、これが痛恨のセレクトミスだったことをこの時は知る由もなかった。
前述した通り、私よりも先に入店した2人組の客の調理が既に始まっている。中華なべにスープを張り、豚肉、きくらげ、メンマ、ピーマンなどの具材を炒めるのではなくスープで煮てしまうようだ。麺茹では平ざるを使用したもの。しっかりとした湯切りが好印象だ。
「味噌の大盛り、お待ちどう様でした」
運ばれてきたラーメンは丼もデカいしもやしの量もハンパねぇ代物だった。
『大盛りとか頼んじゃダメな店だな』
二郎にも引けを取らない大盛り加減に鳥肌が立った。大丈夫、自分は普通盛りだ。
そして私を含め、数名の客のオーダーを一気に作り始める店主。私の後に来た若者の客は塩のオーダー。辛さは私と同じオサエオロチョンだ。味の違うオーダーが入った場合、中華なべは2つ使用して一気に作るようだ。コンロ横に寸胴があった。中型の物が1器のみ。注がれるスープは清湯系のスープである。前述通り、様々な具材、調味料を入れていくのだが最も目を引くのが化学の力の力加減だ。ハッキリ言って二郎と同等の量を入れている。相撲の取り組み前の清めの塩のように豪快に振られる。どちらのスープも前述した具材が共通して入っているのだが味噌味に限っては更に具材が加えられる。それが大量のもやしである。
『うわっ!(涙目)』
味噌をオーダーした自分を激しく後悔した。それでなくても前述の具材も結構な量が入っているし、麺量も明らかに多めなのが見ていて判るのだが、更に加えて大量のもやし…今回だけは完食出来るか、食べる前から不安になった。
そして、ラーメンがやってきた。先週のオロチョンラーメンとは明らかに違う物で見た目は普通の味噌ラーメンだ。早速、スープからすすってみた。
ベースのスープは鶏ガラを軸に香味野菜などを一緒に煮込んだような印象。味噌ダレ自体は通常の白味噌を使用しているような感じで、調理中に加えた擦りニンニクや辛さの元になっている調味料が脇を固めている。で、肝心の辛さだが店の店員曰く「中辛」と言っていたのが良く判る。辛くて堪らない訳ではないが辛い。飲みつづけると結構キツいし、大量に汗も噴き出してくる。そしてスープの量は軽く500cc以上はあるであろう。
麺は中太のストレート麺。かん水の量は標準的。加水率は若干高めの印象。コシと言うよりはモッチリとした食感が心地よく、喉越しも良い。味噌だけでなく他の味も同じ麺を使用している。後客のオペを見ていて判ったことだが一杯のラーメンに使用される麺はデフォルトで1.5玉。多分、300g近くあるのではないだろうか。
具は前述したので割愛する。味玉はメニューにない。
麺、具材を全て平らげ、後はスープを残すのみとなった。
『時間をかければ制覇出来るか?』
そう考えた私は急がず、ゆっくりと、しかし、着実にスープを平らげていく。しかし、スープだけを飲みつづけると辛いので水も欲しくなる。そんな事を繰り返す内に腹はそろそろ限界点を迎える。
『苦しい…でも後少しだ。ガンバレ!』
自分で自分を励ましながらスープを口に運ぶ。
しかし、遂に限界点がやってきた。これ以上、スープを口に運べば、大リバースしてしまいそうだった。結局、100cc程度のスープを残して店を後にした。
その時、私は富士山の頭頂に成功しながらも、同行者の体調不良で剣が峰踏破を断念した時の光景を思い出していた。

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