【閉店】Bar Alchemist ( バー アルケミスト )

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住  所
電話番号
営業時間16:00〜0:00(月〜土)
定休日日曜・祝日
席数カウンター8
駐車場なし
緯度経度
(日本測地系)
N  34゚58'23.0''
E138゚23'40.6''
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最寄駅日吉町駅(静岡鉄道)
静岡駅(JR東海道本線)
静岡駅(JR東海道新幹線)
取材日2012/05/24その他の情報...
バーに良く行かれる方にとって、バーの存在意義って色々とあると思う。
大切な人と共に過す時間を共有する場所。
酒を介在して仲間と交流を深める場所。
色々な使い方をされるバーであるが逆に一人の時間をゆっくりと楽しむための場所と言う方もいるだろう。
そんな風にバーを利用する人の場合、仲間であってもその店の存在自体を知られたくないと考える方も多いのではないだろうか。
俗に言う「隠れ家」と表現される場所や店をそう言う風に呼ぶ場合がある。
一見してバーとは判らない…そんな店を自分の手駒として一つは備えておきたい。

看板前置きが長くなったが今回紹介する店を「アルケミスト」と言う。
この店を訪れるきっかけとなったのが先日行われた「レインボーチャリティーカクテルラリー」と言うイベント。
「Bartender's Club Shizuoka」が主催した東北復興を目的として行われたチャリティイベントでの参加店だった。
イベント用のフライヤーに書かれた地図を頼りに店の近所まで来ているのだが屋号の書かれた看板がない。
唯一、この扉の向こうが酒を扱っている店であろうと判断出来るのは店先の室外機の上に置かれた酒瓶のみ。
でも、それだけで参加店と判断出来るのか?と一瞬思ったのだがドアにこっそりと店の屋号が刻まれている。

店内店内に入ると先ずはエントランスがあるのだが壁に阻まれて店内を窺い知る事は出来ない。
バー初心者の方などはこの壁を越えて中に入れるか?がポイントになると思うが壁の脇を抜けて店内に入ると非常に個性的な店内が視界に飛び込んでくる。
前述した通り、店の屋号を「アルケミスト」と言うのだが直訳すると「錬金術師」と言う意味なのだそうだ。
私も初めて聞いた話なのだが蒸溜技術を語る上で錬金術および錬金術師の存在は欠かせないのだと言う。
カウンターのみの店内はそんな錬金術師の工房をイメージして作られていると言う。
通常のオーセンティックバーにある木材を多用した趣とは違う、それでいて何処か落ち着きのある空間。
日常の生活の中ではあまり身を置く事のない「非日常的」な空間演出は、そのエントランスと壁を越えた者だけが味わう事が出来る。
店内に入るとオールバックが印象的な若きオーナーバーテンダーが出迎えてくれる。
そのスタイルはオーセンティックスタイルで前述した隠れ家的なイメージにもピッタリとマッチする。

カウンター座面の回転するカウンターチェアーに腰をおろし、先ず気が付くのがカウンター。
何と銅製の天板が使用されていて前述のイメージを踏襲している。
バックバー更にバックバーも通常のバーの壁に括り付けられた感じの物とは違い、鎖を使って吊るす形で設置された変わった形状をしている。
そのバックバーにはウィスキーやバーボン等の洋酒、カクテル用のリキュール等が多く見られるがスタンダードな物からあまり見た事のない物まで様々。
マスター曰く、「特にこれに拘っています」と言う事はないようで、その時々で品揃えも変化するらしく、私のように色々飲んでみたい輩にはもってこいのラインナップだ。
そんな理由もあってか店にメニュー表は置いてないので好みの酒をバーテンダーに選んでもらうのが良いだろう。

雪国カクテルに関してもメニューはないのだがスタンダードなものから名前さえ判ればその多くに対応してくれる。
私も何度か通う中でお約束のジン・フィズやマティーニ。更に前から飲んでみたかった「雪国」と言う若干マイナーなカクテルまでしっかりと対応してくれた。

ここまで読んで、バー初心者の方はどんなイメージを持たれたであろうか。
エントランスから店内は見えないし、オーセンティックバーだし、メニューもないし、いくら請求されるかも判らない。
そんなイメージを持たれた方も多いのではないだろうか。

しかし、そんな心配はご無用。何と、この店はドリンクに関しては1杯1000円と言うワンプライス制を取っている。
カクテルでもウィスキーでもバーボンでも1杯なら1000円。3杯なら3000円と明朗会計なのである。
泥酔して何杯飲んだか判らなくなるのは論外として、自分の飲んだ杯数が判っているならお会計時にビクビクする必要もない。
また、チャージを取っていないのも特筆すべき点。
そんな敷居の低さも私がこのバーを紹介する一因である。

慌しい日常を強いられ、何かとストレスの多い現代社会。
そんな日常を開放し、非日常的な空間でフッと一人になりたい時、訪れてみると良いだろう。
そんな「大人の隠れ家」がここにはある。

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