【閉店】飲みbar 酒徒 ( のみバー しゅと )

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住  所
電話番号
営業時間20:00〜4:30(月〜日)
定休日不定期
席数カウンター4 座敷4
駐車場なし
緯度経度
(日本測地系)
N  35゚07'05.0''
E138゚54'47.6''
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最寄駅三島広小路駅(伊豆箱根鉄道駿豆線)
取材日2012/04/01その他の情報...
三島に40年以上暮らしていてもまだまだ知らない場所は沢山ある。
私がこの路地を初めて見つけたのは昨年の事だ。

泉町番外地場所は三島市泉町。帰宅途中の私はこの路地を見つけた時、ちょっとした好奇心から足を踏み入れた。
道幅僅か2m程の路地にスナックや大衆酒場が点在しているその場所は昭和の香りを色濃く残し、「Always 三丁目の夕日」を地で行くような郷愁に満ち溢れていた。
人はその路地を「しょん便通り」などと呼ぶらしいが実は「泉町番外地」と言う歴とした名前があるらしい。
この路地で私は「bar」の文字を見つけてしまった。それが今回ご紹介する「酒徒」と言うバーである。
業界の事は業界人に聞けとばかりに近所の行き着けのバーテンダーに聞いてみると業界人御用達の店である事やマスターのひととなりを事前に聞く事が出来た。
私は掲載までの準備期間と言う事でこの店に一度だけ出向いた事があった。
カウンター丸坊主の店主が一人で切り盛りする店内は日本人なら誰もが感じる居心地の良さから早くも掲載を決意するのだがこの後、意外な事態が発生する。
先ず、営業時間が判らない。夜10時頃営業を開始すると言う事で何度か店に出向いたがやっていない事もしばしば。
マスター自身が昼の仕事もやっている関係から営業開始が深夜になると言う話も聞いていた。
また、そのマスター自身が東京に引っ越してしまった関係から店自体の存続が危ぶまれた。

しかし先日。あるバーで酒徒が再開する旨を聞いた。
聞けば近所の方が営業を引き受けたと言う。
また、よくよく聞いてみると私の小学校時代の友人の弟さんがやっている事が判った。
今回のマスターはちゃんと営業時間通りに店を開けてくれるので何度か訪問。
しかも、他所のバーテンダーから私がバーについて書いている事を事前に聞いていた事も判り、それならと掲載をお願いしたのであった。

このバーは色々な意味で通常のバーとは変わっている。
それは徐々に紹介して行くが先ずはこの店の歴史そのものが面白い。
これまで掲載してきたバーは所謂ワンオーナー店であるのに対し前述通り、この店は多くの店主に引き継がれて現在に至る。
ちなみに現在のマスターも自分が何代目に当たるのか?良く判らないという。

座敷席店内はカウンター席をメインにバー紀行では初お目見えの座敷がある。
店の雰囲気もバー特有のかしこまったイメージではなく、マスターもラフな格好で出迎えてくれるので気分的には横丁の飲み屋に来ているような感覚である。
一人の時はカウンターでゆっくりと。複数の時は座敷で語らい合うのも良い。

バーと言うとクラシックなどのBGMが流れている場合が多いが、この店はちょっと違う。時にプロレスの試合の歓声だったり、時にハードロックだったり、時に隣のスナックのカラオケの熱唱だったりと様々。
マスター自身はバンドなどの音楽活動をされている方であり、お客は音楽繋がりの方が多い。
演者として活動されている方であればマスターと共通の話題もあり楽しい時を過せるのではないだろうか。
店内には懐かしいKISSやCarolなどのポスターも貼られており、現在40代の方は懐かしい気分に浸れるであろう。

バックバーカウンターからバックバーを眺めると先ず目に付くのは焼酎の一升瓶の数々。
勿論、ウイスキーやバーボンなども若干は置いてあるがこの店では焼酎がメインになっているように思える。
それを物語るかのようにボトルキープの焼酎率が圧倒的に高い。
キンミヤ焼酎そんな焼酎の中でも特に多いと感じられるのが「キンミヤ焼酎」と言う銘柄。
この焼酎、ネットで調べると穏やかな酔い方と酔い覚めの良さで評判らしい。
つまり、二日酔いし難いと言う事なのだろう。
私もロックで一杯頂いたが柔らかな甘さと穏やかなアルコール感。癖のない芳香を持っていて非常に飲みやすい。
また、リキュールの類や梅酒、マッコリなどもカウンター上に並べられており、通常のバーではあまり扱っていないラインナップを有している。
「焼酎は苦手」という御仁や女性の方はこちらもオススメである。

フードに関してもかなり充実しており、しかも手頃な値段。
枝豆、キムチ、いかの塩辛などの定番スピードメニュー。
若鶏の竜田揚やたこ焼きなどのちょっとしたアテや、ガッツリ行きたい人用におむすび、お茶漬け、牛丼などの丼物。果てはハンバーグライスまである。
さばの味噌煮そんな中から私がチョイスしたのはさばの味噌煮。
甘めのタレをまとった身を解し、口に運べば「日本人で良かった!」と改めて思う。そこにキンミヤを流し込むと至福の時がやってくる。

酒徒ラーメン更に特筆したいのがラーメンまで置いてあると言う点。
正直、ラーメンを置いてあるバーって言うのを私は見た事がない。
飲んだ後のラーメンって何でこんなに美味いんだろうって思ったのは皆さんも一度や二度じゃないはず。
そんなラーメンをバーに居ながらにして味わう事が出来るのだ。
「別に凝ったものや拘りの一品を出している訳ではないので」とはマスターの弁だが、お世辞にも広いとは言えないこの厨房でこれだけのフードメニューを用意するのは並大抵の事ではなく、創意工夫をしている姿が良く判る。
食べたいと思う時にその用意があると言うのは客としては嬉しい限りであり、お客を大切にするマスターの姿勢が伺える。

元号が平成になって久しいが、昭和と言う楽しかったあの頃にフッと戻りたくなった時は是非訪れてみて欲しい。
本当に懐かしい一時を感じ、過す事が出来るであろう。

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