| 飲食業の闇と個人の機転 |
大衆酒場 箱ざき

| SHOP DATA | ||||
| 住 所 | 静岡県富士市本町6-1 シンセアビル富士駅前1階 | |||
| 電話番号 | 080-7284-8339 | |||
| 営業時間 | 17:00~3:30(月~木・日) 17:00~4:00(金~土) | |||
| 定休日 | 無休 | |||
| 席数 | テーブル16 | |||
| 駐車場 | なし | |||
| 緯度経度 (日本測地系) | N 35゚08'56.8'' E138゚39'11.8'' | 地図を見る | ||
| 最寄駅 | 富士駅(JR東海道本線) 富士駅(JR身延線) | |||
| 取材日 | 2026/03/13 | その他の情報... | ||
メニュー
- チャーシュー豚骨ラーメン+煮卵
- 1350円
- 豚骨ラーメン煮卵付き
- 1050円
- 豚骨ラーメン
- 890円
- チャーシュー豚骨ラーメン
- 1190円
文頭から話は逸れるが先日のこと。
食べログのレビュアーさんの口コミをチェックしている時のことだ。
実兄がとある洋食レストランでの口コミをあげていた。実兄自身も彼のレビュアーさんの口コミを頼りにその店に行ったようだ。
実兄が食べていたのは「トルコライス」というメニューでワンプレートにエビフライ、ヒレカツ、唐揚げ、トマトパスタ、サラダ、カレーライスが乗っている「大人のお子様ランチ」のようなメニューだった。
その店の存在自体、私も初耳だったので他のメニューを見てみるとナント!ラーメンがあるじゃないか!しかもお酒もあるじゃないか!
酒のアテになるメニューも多いので一度、行ってみたいと保存リストに登録したのだった。
話を戻して今日は金曜日。
前述の店に向かうためにお馴染みの静岡駅を18時に出発するホームライナー沼津に乗車。今回は富士駅で降りてしまうので330円という金額をフルに使う訳ではないが仕方ない。
車内でタブレットを眺めているとコートのボタンが取れていることに気が付いた。何だか嫌な予感がした。
25分後。
富士駅に到着した私は店に向かって北口方面に歩き出すと、そこには駅前の再開発であろうか大規模なビルの解体が行われていた。このビルに私の行きつけのバーがあったのだが数年前に吉原本町の方に移転したのを思い出す。この工事が終わった頃には富士駅前の風景も大きく変わるんだろうなぁ。
富士駅は歩道橋のように高架になっているので階段を降りる。以前も書いたが右膝が痛いので降りるのに苦労する。
目的の店は駅から250m近く離れているので歩き出す。あまり駅から離れた事がないので今まで判らなかった店だ。どんな感じなのだろう。
目的の店に到着した。その店を「
名花堂」といった。創業は昭和10年らしく、創業90年の老舗だ。外観を撮影し店先に飾られた立て看板を見てみる。
「
金・土夜のメニュー」と書かれたメニューには酒のアテが書かれていた。そんな事をしていると若者2名が店の中に入っていったので後を追うように入店する。
中から女店員が出てきて若者と何やら話をしている。その内容を聞いてみると昼に出している洋食は夜は提供していないという。若者達は洋食目的で入ってきたようで踵を返して退店する。私もその女店員に尋ねてミタ。
「夜はラーメン出してますか?」
答えはノーだった。私も踵を返して退店したのは言うまでもなかった。
さぁ、どうしよう。今回は特にリカバリー先も考えてないし、周辺のラーメン屋なんて行きつくしているし。そんな時、以前取材したことのあった店が目に入った。
「あれ?別の店になってる」
その店を「大衆酒場 箱ざき」と言った。店前までやってくるとナント!豚骨ラーメンや油そばの文字が見えた。おぉ、捨てる神あれば拾う神ありとは正にこのことか。外観を撮影して早速、店内へ。
店内に入るとどう考えても店長には見えないバイトらしき若者が出迎えてくれた。お一人様であることを告げると…
「ワンオペ営業なのでお料理の提供とか遅くなるかもしれませんがよろしいですか?」
コチラも退路を断たれた背水の陣で臨んでいるので了承した。
店内はドラム缶に板を置いたテーブル席にハイカウンターで使用される椅子を並べて客席としている。
席に備え付けのメニューを見てみると通常の居酒屋メニューが並んでいる。まぁ、あまり頼み過ぎないように注意しよう。オーダーは口頭。角ハイボール、肉味噌きゅうり、黒はんぺんフライ、噂のもつ煮込み、豚骨ラーメン煮卵付きをオーダーした。すると…
「肉味噌ともつ煮込みは在庫が切れてまして…」
仕方ないのでもつ煮を名物肉豆腐に変更した。また、ラーメンは最後に出してもらうようにお願いした。
先客は1組5名と1組2名。そして私。後客として1組2名が入り、10名の客のオーダーを一人でこなすという最悪の状況下でせっせと料理を作っている若い店員。
5名客のオーダーが凄まじく、盛り上がっているのもあってか、酒は進むし料理もススム君である。
先ずはハイボールがやってきた。お疲れチャン>俺!何とかリカバリーに成功したけど、この状況では料理がいつ到着するのか見当も付かない。
何名かの新規客が入店するもワンオペ営業で料理の提供が遅れる旨の説明を聞くと諦めて退店する客も2組ほどいた。
そして黒はんぺんフライがやってきた。そして…
「1枚サービスしてあります」と言いながら隣のテーブル席にも黒はんぺんフライを提供していた。ただ、ソースなどが一切付いていない…まぁ、郷に入っては郷に従えで私は付属のレモンを絞っていただく。カリッと揚がっており、中の黒はんぺんはフワフワ。多分、業務用の冷食であろうがそんな事は気にしてない。
隣の客は「ソースはないのか?」と言っていたが出てこなかったように思える。
更に遅れること10分後。
肉豆腐がやってきた。味が染み染みの絹ごし豆腐は牛すじと共に甘辛く煮こまれており、牛すじ自体も柔らかい。良い酒のアテである。肉豆腐の提供と同時に追加のハイボールをオーダーした。
肉豆腐を食べ終わったのでそろそろラーメンを出してくれないかなぁなどと思いながら厨房観察をするも、作られた料理は5名客の元に運ばれていく。ここの料理は一品の単価は高くないがお一人様にちょうど良い量なので5名でかかると忽 ちに終わってしまう。更にお酒のオーダーもひっきりなしに入ってくるので若い店員はてんてこ舞いだ。
時計が19時をまわった頃。一人の若い店員と思しき男性が食材を持って入ってきた。
これでワンオペ営業は解消されるのか!と思ったがそうではなかった…
肉豆腐の到着から30分後。ようやくラーメンの調理が開始された様に見えたので厨房観察。
スープは業務用ダレを電気ポットのお湯で伸ばして作っている。麺茹ではお湯を張った鍋で行われ、湯切りは普通のざるを使用してシンクの中で行われている。茹で加減はキッチンタイマー管理。
やっとのことラーメンがやってきた。そして…
「チャーシューをオマケしておきました」とアナウンスされた。具材については後述するとして、先ずはスープからすすってみた。
スープは前述した通り、業務用とんこつダレをお湯で割ったもの。まぁ、居酒屋のラーメンに本格派を求めることはない。塩味が穏やかでややパンチ力不足が否めない。
麺は中太麺。かん水の量、加水率共に標準的な印象を受けた。盛り付けに時間がかかっているのかやや柔らかめの仕上がり。コシはないけどモチモチとした食感を持っている。
具はチャーシュー、鶉の味付け卵、メンマ、のり、ネギ。チャーシューは豚バラ肉使用の茹で豚で渦巻きチャーシューのものが2枚。厚みが5~6mm程度あって意外と厚切り。そして大判で食べ応えがある。ただ、味付けが施されてないのでこちらも胡椒をかけていただいた。塩があればカンペキだったかも。鶉の味玉は久しぶり。おつまみとしてもたまにメニューにある鶉の味付け卵を乗っけた感じだろうか。居酒屋っぽいトッピングである。
お会計をお願いするとトータル金額が3,333円とゾロ目のフィーバー状態。更に財布の中からお釣りなしで支払うことが出来た。金額も珍しかったのでレシートを貰って帰ることにした。
そして、電車を待つ駅のホームでその
レシートを見てみると、「サンパサンパ とんパラ」という別の店の屋号が書かれていた。多分、系列店なのであろう。
飲食店業界は人手不足だと巷では囁かれているが、ワンオペ営業という飲食業の闇に直面した。
「提供スピードの遅さ」って現代社会ではSNSなどで酷評される的になりかねない事象なのだが、若い店員の彼のエラかった所は、要所要所で「サービスです」と言って至らないホスピタリティと等価交換したことだと思う。また、それを店長ではなく一バイトの裁量でおこなったことに他ならない。
飲食店では味も勿論大事なんだけど、最終的には「良かった」と思って退店できるのが大事だと思うのである。
食べログのレビュアーさんの口コミをチェックしている時のことだ。
実兄がとある洋食レストランでの口コミをあげていた。実兄自身も彼のレビュアーさんの口コミを頼りにその店に行ったようだ。
実兄が食べていたのは「トルコライス」というメニューでワンプレートにエビフライ、ヒレカツ、唐揚げ、トマトパスタ、サラダ、カレーライスが乗っている「大人のお子様ランチ」のようなメニューだった。
その店の存在自体、私も初耳だったので他のメニューを見てみるとナント!ラーメンがあるじゃないか!しかもお酒もあるじゃないか!
酒のアテになるメニューも多いので一度、行ってみたいと保存リストに登録したのだった。
話を戻して今日は金曜日。
前述の店に向かうためにお馴染みの静岡駅を18時に出発するホームライナー沼津に乗車。今回は富士駅で降りてしまうので330円という金額をフルに使う訳ではないが仕方ない。
車内でタブレットを眺めているとコートのボタンが取れていることに気が付いた。何だか嫌な予感がした。
25分後。
富士駅に到着した私は店に向かって北口方面に歩き出すと、そこには駅前の再開発であろうか大規模なビルの解体が行われていた。このビルに私の行きつけのバーがあったのだが数年前に吉原本町の方に移転したのを思い出す。この工事が終わった頃には富士駅前の風景も大きく変わるんだろうなぁ。
富士駅は歩道橋のように高架になっているので階段を降りる。以前も書いたが右膝が痛いので降りるのに苦労する。
目的の店は駅から250m近く離れているので歩き出す。あまり駅から離れた事がないので今まで判らなかった店だ。どんな感じなのだろう。
目的の店に到着した。その店を「
名花堂」といった。創業は昭和10年らしく、創業90年の老舗だ。外観を撮影し店先に飾られた立て看板を見てみる。「
金・土夜のメニュー」と書かれたメニューには酒のアテが書かれていた。そんな事をしていると若者2名が店の中に入っていったので後を追うように入店する。中から女店員が出てきて若者と何やら話をしている。その内容を聞いてみると昼に出している洋食は夜は提供していないという。若者達は洋食目的で入ってきたようで踵を返して退店する。私もその女店員に尋ねてミタ。
「夜はラーメン出してますか?」
答えはノーだった。私も踵を返して退店したのは言うまでもなかった。
さぁ、どうしよう。今回は特にリカバリー先も考えてないし、周辺のラーメン屋なんて行きつくしているし。そんな時、以前取材したことのあった店が目に入った。
「あれ?別の店になってる」
その店を「大衆酒場 箱ざき」と言った。店前までやってくるとナント!豚骨ラーメンや油そばの文字が見えた。おぉ、捨てる神あれば拾う神ありとは正にこのことか。外観を撮影して早速、店内へ。
店内に入るとどう考えても店長には見えないバイトらしき若者が出迎えてくれた。お一人様であることを告げると…
「ワンオペ営業なのでお料理の提供とか遅くなるかもしれませんがよろしいですか?」
コチラも退路を断たれた背水の陣で臨んでいるので了承した。
店内はドラム缶に板を置いたテーブル席にハイカウンターで使用される椅子を並べて客席としている。席に備え付けのメニューを見てみると通常の居酒屋メニューが並んでいる。まぁ、あまり頼み過ぎないように注意しよう。オーダーは口頭。角ハイボール、肉味噌きゅうり、黒はんぺんフライ、噂のもつ煮込み、豚骨ラーメン煮卵付きをオーダーした。すると…
「肉味噌ともつ煮込みは在庫が切れてまして…」
仕方ないのでもつ煮を名物肉豆腐に変更した。また、ラーメンは最後に出してもらうようにお願いした。
先客は1組5名と1組2名。そして私。後客として1組2名が入り、10名の客のオーダーを一人でこなすという最悪の状況下でせっせと料理を作っている若い店員。
5名客のオーダーが凄まじく、盛り上がっているのもあってか、酒は進むし料理もススム君である。
先ずはハイボールがやってきた。お疲れチャン>俺!何とかリカバリーに成功したけど、この状況では料理がいつ到着するのか見当も付かない。
何名かの新規客が入店するもワンオペ営業で料理の提供が遅れる旨の説明を聞くと諦めて退店する客も2組ほどいた。
そして黒はんぺんフライがやってきた。そして…
「1枚サービスしてあります」と言いながら隣のテーブル席にも黒はんぺんフライを提供していた。ただ、ソースなどが一切付いていない…まぁ、郷に入っては郷に従えで私は付属のレモンを絞っていただく。カリッと揚がっており、中の黒はんぺんはフワフワ。多分、業務用の冷食であろうがそんな事は気にしてない。
隣の客は「ソースはないのか?」と言っていたが出てこなかったように思える。
更に遅れること10分後。
肉豆腐がやってきた。味が染み染みの絹ごし豆腐は牛すじと共に甘辛く煮こまれており、牛すじ自体も柔らかい。良い酒のアテである。肉豆腐の提供と同時に追加のハイボールをオーダーした。
肉豆腐を食べ終わったのでそろそろラーメンを出してくれないかなぁなどと思いながら厨房観察をするも、作られた料理は5名客の元に運ばれていく。ここの料理は一品の単価は高くないがお一人様にちょうど良い量なので5名でかかると
時計が19時をまわった頃。一人の若い店員と思しき男性が食材を持って入ってきた。
これでワンオペ営業は解消されるのか!と思ったがそうではなかった…
肉豆腐の到着から30分後。ようやくラーメンの調理が開始された様に見えたので厨房観察。
スープは業務用ダレを電気ポットのお湯で伸ばして作っている。麺茹ではお湯を張った鍋で行われ、湯切りは普通のざるを使用してシンクの中で行われている。茹で加減はキッチンタイマー管理。
やっとのことラーメンがやってきた。そして…
「チャーシューをオマケしておきました」とアナウンスされた。具材については後述するとして、先ずはスープからすすってみた。
スープは前述した通り、業務用とんこつダレをお湯で割ったもの。まぁ、居酒屋のラーメンに本格派を求めることはない。塩味が穏やかでややパンチ力不足が否めない。
麺は中太麺。かん水の量、加水率共に標準的な印象を受けた。盛り付けに時間がかかっているのかやや柔らかめの仕上がり。コシはないけどモチモチとした食感を持っている。
具はチャーシュー、鶉の味付け卵、メンマ、のり、ネギ。チャーシューは豚バラ肉使用の茹で豚で渦巻きチャーシューのものが2枚。厚みが5~6mm程度あって意外と厚切り。そして大判で食べ応えがある。ただ、味付けが施されてないのでこちらも胡椒をかけていただいた。塩があればカンペキだったかも。鶉の味玉は久しぶり。おつまみとしてもたまにメニューにある鶉の味付け卵を乗っけた感じだろうか。居酒屋っぽいトッピングである。
お会計をお願いするとトータル金額が3,333円とゾロ目のフィーバー状態。更に財布の中からお釣りなしで支払うことが出来た。金額も珍しかったのでレシートを貰って帰ることにした。
そして、電車を待つ駅のホームでその
レシートを見てみると、「サンパサンパ とんパラ」という別の店の屋号が書かれていた。多分、系列店なのであろう。飲食店業界は人手不足だと巷では囁かれているが、ワンオペ営業という飲食業の闇に直面した。
「提供スピードの遅さ」って現代社会ではSNSなどで酷評される的になりかねない事象なのだが、若い店員の彼のエラかった所は、要所要所で「サービスです」と言って至らないホスピタリティと等価交換したことだと思う。また、それを店長ではなく一バイトの裁量でおこなったことに他ならない。
飲食店では味も勿論大事なんだけど、最終的には「良かった」と思って退店できるのが大事だと思うのである。
