デジタル・デバイドと情報弱者
くさなぎにくじゅうぎょうざしょくどう りんだりんだ
草薙肉汁餃子食堂 リンダリンダ

photo

SHOP DATA
住  所静岡県静岡市清水区草薙1-2-24 中村ビル 1階
電話番号080-7342-7051
営業時間17:00~0:00(月~日)
定休日無休
席数カウンター4 テーブル22
駐車場なし
緯度経度
(日本測地系)
N  34゚59'58.3''
E138゚26'44.5''
地図を見る
最寄駅草薙駅(JR東海道本線)
草薙駅(静岡鉄道)
取材日2023/04/28その他の情報...

メニュー

超本格博多ラーメン
800円
草薙の〆ラーメン
800円
 
■サイドオーダー
  ■前菜
    生キムチ
  250円
more...

文頭から話は逸れるが先日、ラーメン屋店主がTwitterでコールの時に『にんにくなし』って言われた時点で、クソ素人が来たなと思ってたと書いて炎上したっていうのが話題になっていた。
まぁ、二郎系って色々と面倒くさい部分があるのは、ラー紀読者の皆さんなら判ると思います。
ただ、常連だろうが素人だろうがお客はお客。年齢、性別、生活環境、経済力等、置かれている環境や状況が違う不特定多数が来店するのが飲食店です。
それを見下したり、不快感を感じたり、ましてや攻撃するなんてもっての外だと個人的には思います。
そんな思いを色々と感じた今回の取材。聞いていただけますか。管理人です。

話を戻して今日は金曜日。
明日からGWに突入する方も多いんじゃないだろうか。まぁ、私はカレンダー通りですけど何か?
折角の華金なので、どこかで夕飯を取った後、飲んだくれるのが日常の私だが、今週に限ってはちょっと控えようかと考えている。
私の実質的なGWは来月の3日以降になるのだが、そこに向けて少しお金を残したいと考えていた。
まぁ、例年は実兄と地方のラーメン店を回るのが常であるが、色々と諸事情もあってここ数年は一人でラーメンツアーをしている。その様子はGW開けに公開しようと考えている。

話が逸れた。
勤務先を後にした私は静岡鉄道に乗車して草薙駅を目指していた。
だいぶ前の話になるが草薙駅前にラーメン蛮骨(現在は屋号が変わっている)のラーメンを提供している餃子専門店があるという。
ラーメン蛮骨といえば静岡では有名な「麺屋 厨」の系列店。ラー紀では未取材である。静岡駅からだいぶ離れているというのが取材に行っていない理由なのだが、同じようなラーメンが草薙駅前で食べれるのであればそれでいいんじゃね?と思った次第だ。
また、この店は餃子をメインとした中華料理をアテに一杯出来るという利点もあった。

20分後。
草薙駅に到着した私は JR 草薙駅 方面に向かって歩き出した。店自体はJR 草薙駅前のロータリーのそばにある。 草薙駅前に降り立つのも久しぶりだ。
その店を「草薙肉汁餃子食堂 リンダリンダ」 と言った。隣は横浜屋という古くから家系ラーメンを出している店だ。
事前に食べログやGoogleマップの口コミを読んできているのだが、接客や料理の提供スピードに言及している人が多い。
外観を撮影して早速、店内へ。

店内は厨房に面した少しばかりのカウンター席とテーブル席の構成。
一人であることを伝えるとカウンター席に座るように指示された。カウンター席は4席で奥の2席には先客のアベック(死語?)が座っているので一席空けてカウンター席の末席に陣取った。
若い男性店員がおしぼりを持ってきてくれて…

「オーダーはそちらのQRコードからスマホでお願いします」

昔、沼津市内の某居酒屋でこのスタイルのオーダー方式を見た事があった。ただ、その居酒屋では無料のwifiが通じていて、通信料はお店持ちだったが、こちらは自腹なのね…
しかも、私のスマホは何故かページが開かなかったので仕方なくタブレットでオーダーする羽目に…。でも、スマホもタブレットも持ってない客はどうオーダーするのであろうか。
紙に印刷されたメニューが別にあるので、そちらを見てみる。先ずは餃子をウリにしているので餃子は外せない。
1敗目はハイボールを飲みたいのだが、ハイボールは10分100円課金される。1時間で600円。そして注意が必要なのは、店に居る時間で課金されるので、2杯目から別のドリンクをオーダーしても課金が続くので注意が必要だ。ハイボールも飲みたいがバイスサワーも飲みたい。今回はハイボールは諦めるか。オーダーはスマホ。バイスサワーセット、韓国風冷奴、生タルタルの唐揚げ盛り、肉汁焼餃子をオーダーした。
オーダーを通すと厨房にあるタブレットにオーダーされた商品が羅列するらしく、席番と商品を確認後、タップして消し込んでいくことでオーダーを管理しているようだ。

私が座った席は厨房に面しているのは言うまでもないが、何故か厨房との仕切りがない唯一の場所で厨房観察が一番し易い場所でラッキー極まりない。
店員は男性ばかり3名で切り盛りしている。特に調理担当とかホール係とかの役割分担がある訳じゃなく、全ての店員がそれなりに色々と出来るようにしているように見えた。

先ずはバイスサワーがやってきた。お疲れチャン>俺。今週も仕事、頑張ったなぁ。特に4月は年度替わりしている関係で雑多な仕事が多い一か月間だった。
オープンから1時間ほど経過している店内は6割程度の客の入り。目の前で調理をしている店員が忙しそうに動いている。
口コミに書かれていた接客についてだが、オーダーはスマホだし、店員と接触するのは商品の提供時くらいしかないので、個人的にはそこまで言及する必要はないとは思うのだが…

続いて韓国風冷奴がやってきた。
頂上にキムチのみじん切りを配したもので、塩味、辛み、甘み、酸味で豆腐を食わせる料理。ゴマ油のコクや風味もアクセントとして良い。前菜として良い感じである。

目の前に見える厨房内のステンレス製シンクには大量の木桶が乱雑に積まれているのだが、この編集時にメニュー表を見て改めて気付いたのだが「風呂桶サワー」ってドリンクメニューがあるのね。木桶は乾燥すると水漏れの原因にもなるので、ある程度は保湿する必要はあるのであろう。ただ、置き方が乱雑だと不衛生に見えるので配慮が必要だろうか。

そして鶏の唐揚げがやってきた。事前に画像で見ていた面白いお皿に盛られていた。皿全体がコマ割りされており、そのコマの中に集中線やセリフ、「ドーン!」といった擬音語が描かれている(笑)
唐揚げの半分はタルタルソースと白髪ネギ。もう半分はノーマルな状態で提供されているので付属のレモンを絞ったり、付属のマヨネーズで食べても良き。衣はカリカリとしており、揚げ具合もよい。

バイスサワーが終わったのでナカを追加でオーダーする。その度にタブレットで持ち出すのが面倒くさい。一杯目が気付かなかったけど、見た目の焼酎の量が少ない。280円という値段から言えばややコスパが悪い。

女性客がやってきたのだが、今夜は予約が入っているらしい。そう言えば入口に近いテーブル席が半分空けてある。客層は学生が多いという口コミがあったけど、今夜に限って言えば学生っぽい客は隣のアベック(死語?)だけで、後はサラリーマンが多い。

最初に来ても良さそうな餃子が最後にやってきた。一粒が大きい。熱海のわんたんやの餃子を思い出した。奇しくもわんたんやの餃子は4個で600円(当時)。こちらは4個で480円ということで割安感がある。これだけの餡を詰めるので皮は厚め。餡は肉、白菜などで構成されている。味付けは穏やか。気になる肉汁は充分だが悪戯に多い訳ではない。いつもの酢胡椒で頂いたが、流石に量が多いので後半は酢醤油とラー油で頂いた。

餃子をやっつけていると、かなり年配の老人客が一人、入店してきた。
お一人様の特等席であるカウンター席は私の隣しか空いていないのでそこに着席する。
そこで私は考えた。

『オーダーを通すためのスマホはあるのか?』

そんな事を考えていると、店員が私の隣に案内をしながらオーダーを聞いている。
なるほど、どう考えてもスマホでオーダー出来そうにない客には口頭で受け付けてくれるのか。まぁ、店側としては手間がかかるけど。

そんな老人と店員のやり取りを聞いていると、老人が「ぬる燗のお酒」を所望しているように聞こえた。まぁ、私が出しゃばって「この店は日本酒ないですよ」という必要はないので聞き流したが。
何だかんだでオーダーが決まったようで、老人が私の隣に着席した。この老人、何で若者が集まりそうなこの店を選んだのだろうか。

餃子がそろそろ終わりそうなのでそろそろラーメンをオーダーするためにメニューを見直す。ラーメンメニューは皿坦々、草薙の〆ラーメン、超本格博多ラーメンの3種類。もう迷うことはない。オーダーはスマホ。超本格博多ラーメンをオーダーした。

ラーメンを待っている間、隣の老人のところに生中がやってきた。結局、生ビールにしたのね。生ビールを飲みながら餃子を待っているようだ。

厨房観察。
スープはステンレス製のポットに冷蔵保存されており、オーダー毎に雪平鍋で加温する小鍋系。ポット内のスープは煮凝りのようにプルプルとしたゼリー状。別の場所で仕込みされたものが運ばれてきているのであろう。麺茹では深ざるを使用したもの。茹で加減はキッチンタイマー管理。茹で時間は20秒という早茹で。丼にタレ、オイルを添加し、スープを注いで麺を泳がせ、具材を飾れば完成だ。

そしてラーメンがやってきた。先ずはスープからすすってみた。

ベースのスープはげん骨を軸にした印象の白湯スープ。獣臭は適度に抑えられており飲み易い。塩味がやや穏やかだが範疇だろうか。

麺は極細ストレート麺。かん水の量はやや少なめ、加水率はやや低めの印象を受けた。早茹でにも関わらず、あまりパツパツとした印象はなく、意外とシットリとした食感。

具はチャーシュー、きくらげ、のり、ネギ。いつもの味玉はアンチパストとしては存在するがトッピングメニューとしてはない。チャーシューは豚肩ロースを低温調理したもの。冷えた状態で乗っているので脂身の部分がブヨブヨしていて個人的には低温調理チャーシューは苦手。他の具材に特筆する部分はない。

隣の老人が店員を呼び止め、「お酒はいつ出てくるのか?」と問うている。
若い店員は「お酒は既に出ていると思うのですが」と老人の手元にあるビールを見つめている。
もう、埒があかないのでその話に割って入った。

「このおじいさん、ぬる燗が飲みたいって言ってたから、日本酒が飲みたいんだと思いますよ。さっきからお酒って言っているのはアルコールじゃなくて日本酒のことですよ」

すると若い店員が「日本酒はありませんが、焼酎ならあります」と珍解答。日本酒と焼酎って製法の観点からも、飲み口からも全然違うんだけど…
まぁ、スマホで注文が出来ないならドリンクメニューをシッカリと見せるべきだし、日本酒があるとは考え辛い店に日本酒を、それもぬる燗を求めてきた老人。

今は事前のお店の情報や飲める酒など簡単に調べられる環境にあるのだが、デジタル・デバイド(情報格差)から生じる情報弱者をどう救っていくのか。
また、高齢化社会になっていく世の中で、飲食業を生業とする者達がこれら情報弱者をどう救っていくのか。
情報技術を生業とする私達業界も含め、社会全体に課せられた問題なのかもしれない。

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