慣れるとクセになる味
はなみずらおしゃん ほんてん
花水ラオシャン 本店

photo

SHOP DATA
住  所神奈川県平塚市花水台29-4
電話番号0463-36-0269
営業時間10:30~22:00(月~水・金~日)
定休日木曜
席数カウンター19
駐車場なし
緯度経度
(日本測地系)
N  35゚18'54.4''
E139゚20'29.1''
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最寄駅
取材日2010/09/12その他の情報...

メニュー

タンメン
350円
わかめタンメン
400円
月見タンメン
400円
チャーシュータンメン
650円
more...

久しぶりに地元のワンショットバーのマスターと出かけています。管理人です。
昼に東京の戸越で取材を行った私達はアテもなく三崎漁港へ。
「三崎バーガーが食いたい」と言うマスターの言葉と特にやることが無く暇だ!って言うのも手伝っている。
三崎と言えばマグロを具にしたラーメンがあると聞いたことがある。私が良く見ているHPの管理人が確かそんなラーメンをプロデュースしたと聞いたことがあった。まぁ、ラーメンは先ほど食べたばかりで入りそうにないがバーガーくらいなら入るか?などと考えながら三崎漁港へ。
三浦半島と言えば横須賀にしか行ったことがない私は初三崎港である。しかし、時間が遅いのか?バーガーのバの字も見れないまま終了。そのまま葉山方面から海沿いから通って帰路に着くことにした。
夏は終わりつつあるが、やはりこの時期の湘南はそれなりに渋滞している。まぁ、時間潰しが目的なので時間がかかるのは良い。夜はこのまま二人で飲みに出かける予定なので地元に帰り着くのはもう少しくらい遅くても良いくらいだ。
車は藤沢を越え、平塚に入る。話題はいつしかタンメンの話になっていた。ちなみにマスターはタンメンを狙い撃ちで食べ歩いている。
「ラオシャンは食べたことあるんですか?」
マスターが問う。実は食べたことがない。知らない人のために補足すると、ここ平塚には「平塚系タンメン」と呼ばれる変わった地ラーメンがある。タンメンを名乗っているがそのルックスはどう考えても所謂タンメンのルックスとはかけ離れたもの。透明度の高い清湯系スープに酢が入っており、具は玉ねぎのみじん切りとワカメのみと言うシンプルなラーメンだ。
ラーメン紀行としてこの「平塚系」をなぜ押えていないのか?それは一重に「酸っぱい」からである。コッテリ好きの私が酸っぱいラーメンを食べること自体、考えられないことだ。
しかし、マスターは昼のちゃんぽんがあまり気に入らなかったらしく、しかも三崎バーガーも食べれず、食べることに関しては良い所がない。まぁ、私も一人じゃ絶対に食べないであろうそのタンメンに付き合うことにした。
食べたことはなくても何となく判っていることだが、平塚には老郷(らおしゃん)「花水ラオシャン」と言う二大勢力が存在する。多分、昔は一つだったのだと思うが暖簾分けか何かで分かれたのであろう。今回は向かったのは「花水ラオシャン」のしかも本店である。
店は少し分かり辛い場所にある。角地にあるのだが何故か看板や暖簾、入り口は大通りに面した方には無い。不思議な構造である。
店内はカウンターのみ。時間は午後6時過ぎながら結構混んでいる。空いている席に陣取った。オーダーは口頭。初来店なのでベーシックなタンメンをオーダーした。ちなみにこのタンメン、350円と言う低価格。まぁ、素ラーメンに近い物が出てくると言うのもあるが、それを差し引いても安い。
店員は5、6名も居て皆、忙しそうに働いている。タンメン以外のサイドオーダーもそれなりにあるのでそちらを担当している店員が圧倒的に多い。
厨房観察。
スープ用の寸胴は角度的に確認出来ない。麺茹では平ざるを使用したもの。麺箱から自家製麺であるのが判る。茹で時間を計測したのだが僅か1分程度の早茹でだ。
そしてタンメンがやってきた。判っていた事だが非常に簡素な作り。ワカメ入りと書いたがそれは「老郷」の方の湯麺(たんめん)と言うメニューで花水ラオシャンの方はワカメすら入っていない。まぁ、どうしてもワカメが食べたい訳じゃないのでどちらでも良いのだが。先ずは気になるスープからすすってみた。
ベースのスープは鶏ガラを軸にした印象ながら、所謂動物系の出汁の感じはあまり感じられない。それは一重に酢による部分が大きい。気になった酸味だがむせ返ってどうしようもないと言うレベルでもないがそれなりに酸味は主張して来る。しかし、嫌な主張の仕方ではなく程々に主張してくる感じが何だか救われている。そして、不思議なのは飲み慣れてくるとこの程よい酸味が意外とクセになると言うことだ。
麺は細ストレート麺。かん水の量は少なめもしくは無し。加水率は低めの印象を持った。簡単に言えば素麺(そうめん)のような感じでかん水臭よりも圧倒的に小麦の香りが勝っている。食感は完全にラーメンのそれではない。並盛りながら麺量もそれなりに多いが、ストレートの細麺と言うこともあってかスルスルと胃に納まっていく。
具は玉ねぎのみじん切りのみ。チャーシューの類を希望するなら別メニューがあるのでそちらをオーダーすると良い。具に関しては特筆する部分は少ないが、こちらの玉ねぎも結構な量が入っている。
麺を半分ほど食べた所で平塚系タンメンのお作法であるラー油を投入してみる。このラー油も自家製らしく、お土産として購入も可能。ラー油のオイリーなコクと辛味が加わり、やや酸味はスポイルされる。個人的にはラー油を入れた後の方が全体的にまとまり感があって好みかもしれない。酸味が支配的な単調なスープに辛味と油分によるコクが加わることにより、味に複雑さと奥行きが生まれ飽きさせない。
神奈川にはご当地ラーメンと呼ばれるものが多い。吉村家を祖とする家系。味の大西を祖とする小田原系。四川を祖とする小田原系坦々麺。一品香を祖とするタンメン。そして今回の平塚系タンメン。同じ県内にこれだけのご当地ラーメンが存在する地域も珍しいのではないだろうか。これらラーメンはその殆どがご当地ラーメンと言うよりはご当店ラーメンであり、それぞれの店が個性的な一杯を作り出した結果である。
特に今回の平塚系タンメンはタンメンの既成概念を完全に打ち破った型破りなラーメンであり、そのバイタリティと言うか独創性が神奈川のラーメンを支えているのではないかと感じずにはいられないのである。

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